――何かと話題の外来魚――
――この間のブルーギルの水槽にもう1種類口の大きな魚がいたんですよ。私も名前だけは知ってるブラックバスって魚だと聞いたんですけど、雑誌や新聞、TVなんかで何かと話題になっていますよね
「ああ、お前も新聞や雑誌を見るんだ」
――当たり前じゃないですか。失礼なっ。そんなことより何でブラックバスは騒がれるんですか
「お前はフィッシュイーター魚ってわかるか」

――ええ、活きた小魚や小動物を食べてしまう魚でしょう
「よく知っているな。少ーしだけ見直したよ」
――また馬鹿にしてっ。それでどういうことなんですか?
「ブラックバスは、大正時代に実業家の赤星鉄馬という人が、アメリカから移殖した魚だ。釣り物としても面白い上に食べても旨いということで移入したと聞いている。しかし、フィッシュイーターだったため、箱根(神奈川県)の芦ノ湖にだけ放流され、『県外持ち出し禁止令』が出されたいわくつきの魚だよ」
――へー。だけど、この間のTV番組じゃブラックバスは、北海道から沖縄まで全国に居るって言ってましたよ
「そう。それが問題なんだ。元々ブラックバスは、ゲームフィッシュとして非常に人気の高い魚で、日本でも30年程まえから爆発的なブームが起こり、釣り場を広げたいと考えた人々が“違法”を承知で密放流を繰り返した。その結果、旺盛な繁殖力もあって、あっという間全国に広がったってわけだ」
――それはまずいんじゃないですか
「確かにな。琵琶湖を始め、あちらこちらで“害魚駆除”と称して眼の敵にされている。しかし、問題はそれほど単純ではなく、一時は日本の釣り具業界売上げの半分以上がブラックバス関係で占められていたこともあって、単純に“駆除”すれば済む話ではなくなっているんだ。それに、実際問題として全国に広がったブラックバスを完全に駆除することなど不可能と言ってよく、この問題はまだまだ長引くと思うよ」
――へー、複雑なんですね
「最も建設的な方法としては、いわゆる棲み分け方式しかないと思うんだが、それにも反対者が多く、簡単には実現しそうもない」
――ふーん。私もブラックバスを釣ってみたいと思っていたんですが、ちょっと考えてしまいますね
「広がっちまったんだからしょうがない…なんて乱暴なことを言うつもりはないが、きちんとしたルールを作ってブラックバス釣りを楽しんでいく―っていうのが現実的な方法だと思うな」
――そうですね。やっぱり、私もブラックバスを釣ってみたいですから