2006.11.2 更新

 

竿々学々(実釣編)

−父君と師匠の影響ですっかり釣りに目覚めたS嬢。『実釣編』では、
釣りや魚を「知る」ことから、「実釣体験」を目指すことに…。(毎週木曜更新)−

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■東京湾のシログチ釣り―イシモチは同属別種―

シログチ

―― 師匠、確かイシモチとシログチって別の魚でしたよね。

「ああ、厳密には同属別種だ。しかし、東京湾なんかじゃ、ごく一部のスポーツ新聞の釣り欄を除いてシログチはイシモチと表記しているから、実際にはほとんど正確に区別されていないな」

―― そうですよね。以前、『東京湾で釣れるのは、大半がシログチでイシモチはまずいない』って、師匠に聞いた気がしたもので。

「その通りだ。いずれもニベ科の魚で体形、体色なんかもほとんど変わらないから混同されるのも無理はないんだがな。それで、イシモチ、いやシログチがどうかしたのか」

―― いえ、今シーズンは、東京湾のイシモチ、じゃなかったシログチが凄く好調だって聞いたものですから。

「ああ、その通りだ。シログチは、その昔、そうだな昭和60年代までは、バケツで何杯ってレベルで釣れた魚で、沖釣りビギナーの入門魚として格好の魚だったんだが、職漁船の網入れが激しくなって、一時は乗合船も出なくなるほど釣れなくなっちまった。しかし、ここ数年、昔程ではないものの結構数が釣れるようになって人気を集め出した魚だ」

―― 職漁船が獲らなくなったんですか。

「そういうことだ。全く獲らないわけではないようだが、値段が安くなったようで、以前のように大量には獲られなくなったようだな」

―― へ〜、そうなんですか。私、シログチって釣ったことないんですが、沖釣りビギナーの入門魚ってことは、釣り方は簡単ってことですか。

「まあ、そういうことだ。底近くに大きな群れをつくっているから、船長の指示するタナさえ忠実に守れば、誰にでも釣れる。仕掛けもハリ数3〜5本の胴突きだし、アタリも大きく、ほとんど向こう合わせで掛かってくるからな」

―― そうなんですか。たまには、そういう釣りもいいですね。父に聞いたんですが、シログチやイシモチって練り物の材料としては最高級なんですって。

「そうだ。蒲鉾や薩摩揚げ、スジやツミレの材料としては、最高レベルの魚と聞いている」

―― それじゃ、沢山釣って来て、ツミレ汁でも作ってあげましょうか。

「へ〜、お前にそんな料理が作れるんだ」

―― 何言ってんですか。私は、料理学校じゃ優等生なんですよ。

「それは御見逸れしました。是非、ご馳走していただきたいものですな」

―― 任せなさいっ!美味しいツミレ汁を食べさせて差し上げますよ。

「おお、楽しみにしているぞ」