2008年05月10日 更新

【BOX】女のパンチに絶叫!聖地・後楽園に新たな歴史

まさに熱闘−。メーンイベントでは、風神ライカ(右)が激しい打ち合いの末、ナタリー・ブラウンを判定で下した(撮影・大里直也)

まさに熱闘−。メーンイベントでは、風神ライカ(右)が激しい打ち合いの末、ナタリー・ブラウンを判定で下した(撮影・大里直也)

 (9日、後楽園ホール)日本ボクシングコミッション(JBC)の女子プロ選手公認後の国内初試合として、4回戦5試合と6回戦5試合を行った。メーンのスーパーライト級6回戦では、JBC非公認時代に世界3階級制覇の実績がある風神ライカ(32)=山木=が、WBC同級14位のナタリー・ブラウン(29)=米国=に判定勝ち。観客も満員になるなど、興行としても成功した。

 最終6ラウンドを迎え、満員の観衆から「ライカコール」が自然発生した。女子ボクシングの旗揚げ興行。メーンを務めるライカが、男勝りの強烈なパンチを次々と打ち込む。会場は世界戦のような熱狂に包まれた。

 「たくさんの人が見に来てくれている。10年間やってきたことをすべて出して戦った。勝ててよかった」。女子ボクシングの第一人者の意地にかけて、全国のジムが加盟する日本プロボクシング協会主催の「立ち上げ記念興行」を判定勝ちで締めくくったライカは、安どの笑みを浮かべた。

 大きな注目を集めた試合だった。チケットは完売で、観衆は満員の2005人。女子ボクシングの普及のため、特定の局に放映権を売らなかったため、テレビカメラが10台以上、取材に訪れた。日本プロボクシング協会の大橋秀行・女子委員長会長(42)は「たくさんのお客さんが入ったし、いい試合が多かった。90点のでき。これから年に数回は女子だけの興行をしたい」と合格点を付けた。

 JBCは競技人口の少なさ、認知度の低さを考慮し、女子を承認してこなかった。しかし、WBC、WBAには女子の世界ランキングがあり、世界戦も行われている。国際的な流れを認めたJBCは昨年11月、男子より1分短い1ラウンド2分などの規則を定め、昨年11月にプロ化を認可。今年2月には第1回のプロテストも行った。

 今後は、男子の世界戦などの前座として行われる可能性もある。6月9日のダイヤモンドグローブ(後楽園ホール)、日本ライトフライ級タイトルマッチの前座で女子の2試合が決定済み。ライカは「地道にやってきたことが報われると思う。これからも頑張りたい」と言葉に力を込めた。

(伊藤隆)

★さくら勝利1号

 女子ボクシング公認後、歴史的な初勝利を挙げたのは、第1試合で小林悠梨(真正)に判定勝ちした大内さくら(シャイアン山本)。「今まで試合をできないと思っていた(後楽園)ホールで試合ができたし、ダウンも奪えた。本当にうれしい」と大興奮だった。

 ボクサーだった知人の影響で、3年前にボクシングを始め、週に6日、ジムで汗を流す28歳。東京の地方自治体で働いているため、ファイトマネーを受け取れなかったが、「気にしない。これからはKOで勝てるように練習したい」と笑顔で話した。