フィリピンの英雄にまた一つ勲章が加わった。最終12回、「マニー」コールが場内に響くなか、コットをロープ際に追い詰めラッシュをかけた。危険を察知したレフェリーが試合を止める。5階級制覇をTKOで決めたパッキャオの左肩には、WBOスーパーベルトとダイヤモンドがちりばめられたWBC記念ベルトがかけられ、腰にはWBOの正規ベルトが巻かれた。
「決して簡単ではなくタフな相手だった。私にとってビッグファイトになった」
ウエルター級のリミット(66.6キロ)を0.9キロ下回る契約体重が、過去最大の65.3キロまで増量したパッキャオへ有利に働いた。3回開始50秒過ぎ、右フックで最初のダウンを奪う。4回残り20秒ではコットの鉄壁ガードをかいくぐり、渾身の左アッパーをあごにぶち込んだ。王者が8回に左肩を負傷しアウトボクシングに変わっても、追撃は緩めなかった。
パッキャオは5人目の5階級制覇となったが、昨年12月には元6階級王者オスカー・デラホーヤ(36)=米国=に8回TKO勝ちし、引退に追い込んでいる。「パックマン」の異名を持つ30歳のフィリピン人はアジアの枠を超え、ボクシング界の英雄に君臨する。