2018.5.25 05:00

【甘口辛口】ミスター競馬・野平祐二さんが堪能できるような強い馬がしっかり勝つ競馬を見たい

【甘口辛口】

ミスター競馬・野平祐二さんが堪能できるような強い馬がしっかり勝つ競馬を見たい

 ■5月25日 ミスター競馬と呼ばれた故・野平祐二さんは騎手時代、フランスを拠点とした長期の海外遠征を断行。そこでミルリーフという名馬に出合い、競馬観を根本から覆されるほど衝撃を受けた。

 英ダービー、凱旋門賞などGIを6連勝したミルリーフと対戦したのは1972年。決して見栄えのいい馬ではなく「この程度だったらわれわれでもつくれる」と思ったそうだ。ところが、その強さに脱帽。「誰がどう乗っても勝てる」と思えるほどだった。

 「いくらか力が劣っていても騎乗技術で勝たせる」という自分のスタンスが全否定されたように感じた。「勝ったから強い」ではなく「強いから勝つ」。そうした馬をつくらなければ駄目という思いを抱いて調教師になり手がけたのが、無敗の三冠馬シンボリルドルフ。時がたって20世紀末、引退後に野平さんが「ミルリーフとダブる」と称賛したのがテイエムオペラオーだった。

 「体形はずぬけて素晴らしいわけではない。でも四肢が強健で、レースで驚くばかりの強さを発揮するのはミルリーフのよう」と語っていた。「あのような強い馬がいると本当の競馬を堪能でき、レースを見るのが楽しいね」と言ったときの笑顔が忘れられない。

 あれから18年。ルドルフに続くGI7勝馬となったテイエムオペラオーが17日に死んだ。「強いから勝つ馬」は野平さん亡き後、国内で毎年のように誕生している。血統や育成技術の向上などにより、実績ある良血牝馬から強い子が生まれる確率は格段に上昇した。桜花賞&オークスの2冠に輝いたアーモンドアイもその一頭。27日のダービーでも、野平さんが堪能できるような、強い馬がしっかり勝つ競馬を見たい。(鈴木学)