2018.5.22 05:00

【甘口辛口】西城秀樹さん、脳梗塞発症後15年も病魔と闘い続けたのは壮絶の一語に尽きる

【甘口辛口】

西城秀樹さん、脳梗塞発症後15年も病魔と闘い続けたのは壮絶の一語に尽きる

西城秀樹さん

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 ■5月22日 「さあ、今夜は飲みましょう」と西城秀樹さんが老酒をついでくれた。1987年3月、中国・広州市のホテル。歌手のアジア進出のパイオニアだった西城さんが初めて中国本土で公演し、最初の公演地北京から移動してきたところをスポーツ紙の記者数人が待ち構え、夕食会の円卓を囲んだ。

 小欄はその一人で運動部から文化部に異動したド素人。専門の音楽記者たちとの会話にはついていけなかった。しばらくして“異分子”の存在を気遣ってか西城さんは老酒をつぎ「子豚の丸焼き」などの料理をとり分け、自らスポーツの話題を振ってくれた。おかげで何とか輪に加わることができた。

 気配りのこまやかな、思っていた通りのナイスガイぶりは忘れがたい。その西城さんが63歳で亡くなったのはショックだった。死因は急性心不全だが、2度の脳梗塞で血栓が生じ冠動脈が詰まっての心筋梗塞とみられている。その後、星由里子さん、朝丘雪路さんと後を追うような相次ぐスターの訃報にも驚かされた。

 星さんは享年74。死因は心房細動と肺がんだった。それも、4月はじめに2度目の心臓手術をしたとき検査の過程で肺がんが見つかり今月2日に「ステージ4」と宣告されたばかりという。「そんなに早く…」と信じられないほどだ。朝丘さんは享年82。4~5年前に発症した「アルツハイマー型認知症」が悪化したという。

 脳梗塞、がん、認知症…。いずれも高齢化が進む中、容赦なく襲いかかる代表的な疾病だけに身につまされる。まだ若い西城さんが初めて脳梗塞を発症後、15年も病魔と闘い続けたのは壮絶の一語に尽きた。「一期一会」の宴だったが、あの老酒の味も忘れられない。 (今村忠)