2018.5.2 05:00

【甘口辛口】中学時代のあだ名は“ルパン”だった平尾容疑者…警察は失態を反省して

【甘口辛口】

中学時代のあだ名は“ルパン”だった平尾容疑者…警察は失態を反省して

平尾龍磨容疑者

平尾龍磨容疑者【拡大】

 ■5月2日 “職業病”とはいえ、ついスポーツ的目線で見てしまうのは自分でもどうかとは思うが、あの脱走受刑者、平尾龍麿容疑者の身体能力はかなり高そうに見えた。2メートル以上ありそうな小学校の塀に手をかけ飛び越えようとしたジャンプ力と、走ってきたスピードは捕まりはしたが、テレビで見る限りなかなかのものだった。

 潮の流れが速く水温も低い尾道水道を泳いで渡った泳力にも驚く。平泳ぎの五輪金メダリスト、田口信教氏(いわき明星大副学長)は愛媛出身で高校は尾道市。「大学院時代、島伝いに四国まで泳いで逃げた落ち武者伝説に興味を持ち泳ごうと計画したことがあった。彼には泳力も知恵もあったのでは」と話す。

 田口氏によると衣類は二重にしたポリ袋に入れしっかり口を結べば浮袋代わりになる。顔をできるだけ水面に出さず、まっすぐ前を見て最短で200メートルというコースを取れば達者な人は5分ほどで泳げるという。「あだ名がルパン。運動神経はすごかった」と中学時代の友人。完全に道を間違えたようだ。

 ネットカフェでシャワーを浴び逮捕時は2万円所持していた。しかも塀のない施設からの脱走とは今風で、実在した脱獄の天才を描いた吉村昭の小説『破獄』の荒々しいイメージにはほど遠い。それでも逮捕までの23日間で、のべ1万5000人以上の警察官が投入され捜索費用は3億円以上という。

 警察が向島で一生懸命捜索したのは分かるが、「自力で泳ぐのは困難」と思い込んでいたらしい。追い詰められた人間は何をするか分からない。泳いだのは4月24日夜。「落ち武者伝説」という教えもありながら海の警戒を怠った警察の失態は責められても仕方ない。 (今村忠)

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