2018.5.1 05:00

【甘口辛口】土俵の「女人禁制」、伝統を守りながら変える柔軟性あってもいいのでは

【甘口辛口】

土俵の「女人禁制」、伝統を守りながら変える柔軟性あってもいいのでは

 ■5月1日 「(土俵にあがることに)エネルギーを割くつもりはない」と東京都の小池百合子知事がいった。28日に浅草寺の「泣き相撲」で土俵に上がったが、大相撲の都知事賞表彰については軽くいなした。かつて大阪府の太田房江知事が在任中、府知事賞の表彰をめぐり毎年春場所前に相撲協会とやり合ったことを意識した発言に聞こえた。

 それから十数年たって、春巡業での行司の不適切アナウンスをきっかけに、「ちびっこ相撲」まで波及するなど土俵の「女人禁制」が再び社会問題化した。協会もやっと重い腰を上げ臨時理事会(28日)を開いたが、1400年も続いていることに1時間の協議で結論が出るはずもない。

 タイトルもずばり『女はなぜ土俵にあがれないのか』(幻冬舎新書)という元横綱審議委員会委員・内館牧子氏(脚本家)の著書にこうある。「女性に選挙権がないとか女性だけが肉体的、精神的に理不尽な苦しみを受けたら、それらは差別。しかし、祭事や伝統芸能、民俗的な男女別を同列に考える必要はない」。

 その通りで、小欄も伝統は守るべきと考えている。ただ、初日前日に神職装束の行司が厳粛に土俵祭を執り行い神様を迎える本場所と違い、一日興行で次から次へと移動する巡業の土俵には神様が降臨する暇もないかもしれない。そう解釈すれば主催者挨拶の女性市長や、ちびっこ相撲の女児が上がっても差し支えないだろう。

 本場所でも表彰式の最後に出世力士が行司を胴上げする「神送り」を前倒し、その後の表彰で都知事賞のために小池氏が上がっても不都合ではない。これだけは譲れないという伝統を守りながら変えられるところは変える柔軟性があってもいい。(今村忠)

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