2018.4.25 05:00

【甘口辛口】神宮使用不可、タイトな日程、分散開催…東京五輪が高校スポーツの祭典に水を差す?

【甘口辛口】

神宮使用不可、タイトな日程、分散開催…東京五輪が高校スポーツの祭典に水を差す?

 ■4月25日 近所の野球少年がこの春、高校生になった。甲子園を狙える強豪校で時折張り切って登校する姿を見かける。「神宮の試合になったら応援に行くよ」と声をかけると「ボクらが3年のとき、神宮は使えないんです」と少し寂しそうに言った。再来年は7月6日から9月13日まで神宮球場は東京五輪のために明け渡すことになっている。

 神宮や神宮第2だけでなく東西の東京大会で毎年会場となる駒沢、大田、府中などが五輪の野球・ソフトボール競技の練習会場に貸し出され使用できない可能性もあるという。球場不足は深刻で、東京の高校野球では初めて東京ドームでの開催が現実味を帯びてきた。

 23日には五輪の球場問題でプロ、アマが初めて協議した。五輪は8月9日が閉会式で、ここ2年は8月7日開幕だった甲子園大会について日本高野連の竹中事務局長が10日以降にずらす可能性を明らかにした。夏の大会は15日間。雨で延びれば、大会後の軟式の全国大会を含めてタイトな日程を余儀なくされそうだ。

 もっと深刻なのは全国高校総体。群馬、埼玉など北関東4県で開く20年の総体は8月10日開幕と日程を大幅にずらした。それでも、東京に近いことから宿泊施設が足りず30競技のうち11競技分しか確保できなかった。残り19競技を全国で分散開催としたが、財政面などでなかなか引き受け手がなく高体連によるとまだ6競技が宙に浮いている。

 高校生にとって最終学年の夏の大会は「一生もの」。高校スポーツの祭典に五輪が水を差すとしたら皮肉でしかない。野球の東京大会は開会式だけ神宮で行えるようプロにも協力を要望した。3年になった野球少年の晴れ姿は見られるかもしれない。(今村忠)