2018.4.21 05:00

【甘口辛口】謎多き光秀をミステリアスな長谷川博己が演じるのは実に興味深い

【甘口辛口】

謎多き光秀をミステリアスな長谷川博己が演じるのは実に興味深い

大河ドラマ「麒麟がくる」で主演を務めることになった長谷川博己=東京都渋谷区(撮影・蔵賢斗)

大河ドラマ「麒麟がくる」で主演を務めることになった長谷川博己=東京都渋谷区(撮影・蔵賢斗)【拡大】

 ■4月21日 8年ほど前になる。芸能界の知人から「いい役者がいる。会わないか」と誘われ、取材した俳優がいる。東京五輪の開かれる2020年のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」で、戦国武将・明智光秀役で大河初主演する長谷川博己(41)である。当時はシャイで口数の少ない青年だった。

 その後の活躍は周知のとおり。不倫に溺れる元キャリア官僚を演じた2010年のNHK「セカンドバージン」で脚光を浴び、「鈴木先生」「家政婦のミタ」でも個性的な存在感を発揮した。19日の大河発表会見では背広の背筋がシャンと伸び、早くも武将の貫禄をのぞかせた。少しニヒルな笑顔は8年前と同じだが、報道陣の質問には堂々たる受け答えだった。

 記者自身も感慨深かったが、彼を紹介してくれた御仁も「演技力だけじゃない。人に対して誠実だからね」と誇らしげに語った。長谷川は中大文学部卒で、もともと古書を読むのが趣味。来年6月からの撮影を前に光秀に関する文献や小説を読むほか、乗馬や殺陣、所作を習うことになる。

 光秀といえば、教養ある智将としても知られる。天下統一目前の主君・織田信長を裏切り自害に追い込んだが、果たして私怨(しえん)だったのか。とかく、誰を何を信じて生きればいいか迷う現代にも通じる戦国時代。光秀自身も迷った揚げ句の信長討ちだったのかもしれない。本能寺の変以後、生き残ったという説もある。

 謎多き光秀を、ミステリアスな雰囲気の長谷川が演じるのは実に興味深い。ちなみに、東京五輪期間中の夏、大河の放送は3回もかぶる。その放送枠をどうするか、NHKも悩みどころ。いずれにせよ、五輪に負けない熱演を期待したい。(森岡真一郎)