2018.4.20 05:00

【甘口辛口】宮崎アニメ次回作はらしさ全開の「大ファンタジー」 盟友・高畑監督への追悼も込められているはず

【甘口辛口】

宮崎アニメ次回作はらしさ全開の「大ファンタジー」 盟友・高畑監督への追悼も込められているはず

高畑勲氏

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 ■4月20日 多くの名作アニメを手がけた高畑勲監督が5日、82歳で亡くなった。世間的な代表作は『火垂るの墓』だろうが、小欄にとっては1972年に公開された『パンダコパンダ』。幼いとき、言葉を話せる親子パンダと女の子の物語に夢中になった。

 高畑監督自身も忘れられない作品のようで、公開23年後の『パンダコパンダ 作者のことば』に「いまもぼくたちにとってたいへん大切な作品」とつづった。「このあとにしたいろんな仕事のおおもとになった映画だから」。

 文中の「ぼくたち」の一人は、原案・脚本・画面設定を担当した宮崎駿監督。世界的アニメ監督にとっても、この映画は『となりのトトロ』の原型とも評されるように大切な作品に違いない。

 宮崎監督は、5歳上の盟友の死に大きなショックを受けており、追悼コメントを発表する気持ちになれないそうだ。自身に残された時間を目の前に突きつけられたという思いかもしれない。5年前に長編の製作から退くと発表するも、次回作の準備に入ったことが昨年2月に明らかに。「完成には3年か4年かかる」という映画を製作中の訃報だけに、その思いは尚更ではないだろうか。

 新作の題名は、37年に吉野源三郎が発表した名著から取った『君たちはどう生きるか』。同書は昨年、漫画化されて200万部を突破。製作中のアニメが大ベストセラーの後ろ盾となっているはずだが、鈴木敏夫プロデューサーによると「内容はタイトルとは随分と印象が違う。大ファンタジーだ」。どうやら宮崎アニメらしさが全開の映画になりそうだ。そこには、高畑監督への追悼と次代を担う若者への生きるためのメッセージが込められていることだろう。(鈴木学)

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