2018.4.11 05:00

【甘口辛口】とかげの尻尾は切っても再生…忘れたころ「栄強化本部長」の復活がないともかぎらない

【甘口辛口】

とかげの尻尾は切っても再生…忘れたころ「栄強化本部長」の復活がないともかぎらない

リオ五輪女子58キロ級決勝に臨む伊調(左)と栄氏=2016年8月

リオ五輪女子58キロ級決勝に臨む伊調(左)と栄氏=2016年8月【拡大】

 ■4月11日 「うっそ~」とはこのことだ。レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨へのパワーハラスメントが認定された栄和人氏が、至学館大レスリング部監督として留任するという。日本協会の強化本部長は辞任し、弁護士を通じて謝罪文に「不徳のいたすところと深く反省し、責任を痛感している」と記した人が、である。

 留任をコメントで発表したのは至学館大の谷岡郁子学長。新入部員を含む選手全員から聞き取りを実施した結果「選手全員が今後も栄監督の指導を受けることを望んでいる。選手たちの思いを尊重し指導を託す」とか。「ノー」とは言いづらい部員を巻き込んで、栄氏を擁護する強い意志を示した形だ。

 とはいえ協会が委嘱した第三者委員会がパワハラと認めたのは紛れもない事実で、指導者としてどう反省し、どこを改善していくのか示されないまま留任では引っかかる。学長も栄氏もコメントを出すだけでなく会見を開いてはどうか。一方的な発信で部員の総意とはいっても、世間一般の常識とはかけ離れている。

 政治家も役人も一般企業も何事もうやむやで終わらせようとするのが、いまの世の中。大相撲巡業での「女性は土俵から…」の不適切アナウンスも若い行司一人の責任にして後はムニャムニャ…。パワハラ告発が公になったとき、レスリング協会は「そんな事実はない」と真っ向から否定していたのに、栄氏以外幹部は知り得る限り誰も責任をとっていない。

 栄氏も解任ではなく辞任で、世間が忘れたころ「やっぱり東京五輪は栄がいないと戦えない」と強化本部長として復活しないともかぎらない。そういえば、“とかげの尻尾”は切っても再生するではないか。 (今村忠)