2018.4.9 05:00

【甘口辛口】「日馬富士の暴行問題」、「貴の乱」を経てもお粗末なままだった相撲協会の危機管理

【甘口辛口】

「日馬富士の暴行問題」、「貴の乱」を経てもお粗末なままだった相撲協会の危機管理

 ■4月9日 「女性は土俵から下りて…」との巡業会場の場内放送は波紋を広げ、海外のメディアも性差別問題として大きく取り上げている。女性看護師による土俵上での救命処置中にこのアナウンスは言語道断で信じられないが、京都府舞鶴市での巡業のできごとがインターネットの動画で見聞きできることに改めて時代を感じる。

 昔なら新聞のベタ記事だけで終わったかもしれない。いまや、「一億総取材記者」といってもいいほどで隠し事はしにくくなっている。この救命場面で巡業の総責任者である春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)は当初、「トイレに行っていた」などと状況を把握していなかったと説明した。

 しかし、ネット上で会場奥で見守る画像が出回り、3日後の7日に自身であることを認めたという。マスコミの取材などほとんどなかった昔のノンキな巡業そのままの感覚だ。土俵の「女人禁制」の是非は別として、日馬富士暴行問題に端を発した「貴の乱」でさんざん指摘されてきた危機管理が、まだまだお粗末であることを露呈した。

 土俵上のあいさつで人が倒れることは想定外だったろうが、現実に不測の事態は起きた。まして数千人の観客が集まる会場で、テロまがいのできごとが起きないという保証はない時代だ。本場所ではガードマンや親方衆により厳重な警備態勢が敷かれていても、巡業先まで細かい神経が行き届いているだろうか。

 今回、八角理事長(元横綱北勝海)はコメントを出すだけでなく、自ら巡業先に飛び不測の事態への危機意識を喚起させるべきではなかったか。危機管理体制、隠蔽体質など協会に問題があるから次から次へと失態が続く。そう思われても仕方ない。 (今村忠)