2018.4.4 05:00

【甘口辛口】MVP級だった藤井六段の快進撃…「特別賞」ではお茶を濁し!?

【甘口辛口】

MVP級だった藤井六段の快進撃…「特別賞」ではお茶を濁し!?

藤井聡太六段

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 ■4月4日 「MVP」と「新人王」。両方を同時にとるのは至難の業らしくプロ野球では1980年に22勝した木田勇(日本ハム)、90年に18勝した野茂英雄(近鉄)の2人しかいない。ともにチームは優勝できなかったものの勝利数、防御率、勝率、奪三振数など投手のタイトルを総なめにしてのW受賞だった。

 その伝でいけば、藤井聡太六段は将棋界で初めてMVP(最優秀棋士賞)と新人賞をW受賞してもおかしくなかった。優勝(タイトル)こそないが、2017年度の記録4部門(対局数、勝利数、勝率、連勝)で1位を独占。2日の第45回将棋大賞選考会では当然新人賞に選ばれたが、MVPは羽生善治二冠だった。

 史上初の「永世七冠」を達成し将棋界初の国民栄誉賞を受賞した羽生二冠か、中学生ながら最多29連勝で爆発的な将棋ブームを巻き起こした藤井六段か。棋戦主催各社で構成する選考委員会ではMVPの選出はなかなか意見がまとまらず、最後は9対4の多数決で決まったという。

 「藤井じゃないのか」と首をひねったファンも多かったろうが、ある棋士はいう。「羽生二冠は将棋という伝統文化の中で棋士として最高の結果を残した。藤井六段は茶の間のお母さんたちまで大衆文化としての将棋に目を向かせた。甲乙付けがたく難しい選考だったろう。内部の人間から見れば羽生二冠は妥当だった」

 MVPと同等の活躍として藤井六段は「特別賞」を受賞した。それはいいとしても「特別賞」では漠然としていて、何となくお茶を濁した感じもする。最優秀と対をなす『ナンバーワン棋士特別大賞』といったインパクトのある名前にすれば、ファンも納得したろう。 (今村忠)

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