2018.2.10 05:00

【甘口辛口】公立小のアルマーニ制服は“もやしっ子”を増やすだけでは…たくましく聡明な子供育てるほうが先決

【甘口辛口】

公立小のアルマーニ制服は“もやしっ子”を増やすだけでは…たくましく聡明な子供育てるほうが先決

 ■2月10日 私事で恐縮だが、平日はスーツと決めている。新聞記者としての「制服」のようなものだ。取材相手に対する礼儀からだけではない。安い既製品でも3着あれば、1シーズン乗り切れる。私服より、ずっと安上がり。それでも30代のときに1度、高級ブランドを買ったことがある。イタリアのアルマーニの夏服だった。

 麻地なのに絹のような手触りでフワッとした着心地が最高だった。似合うと言われたことはないが、何年も大事に着て約20年前に手放した。あれ以来、高価過ぎて手が出ない。そんな思いもあってか、公立小学校が8万円のアルマーニ制服導入、保護者が苦情-のニュースには驚いた。

 平昌五輪が始まって、われながら母国愛が高まり、外国に対するライバル心が燃え上がったのか、怒りに近い感情も覚えた。子供たちの制服の利点は本来、安くて丈夫だからのはず。成長の早い児童はすぐ着られなくなるので、アルマーニでは親の負担は計り知れない。泥んこにもなれない“もやしっ子”も増えるだろう。

 ニュースの舞台は、東京・銀座のど真ん中、中央区の泰明(たいめい)小。学区外に住む区内在住の希望者も越境入学できる特認校だ。今春の新1年生から、アルマーニがデザインを監修した標準服(制服)の導入を決めた。着用は強制ではないというが、着られない子はいじめの対象にもなりかねない。

 セーターなどを含めると実際は1人9万円以上。現行の4倍を超える。この問題は8日の国会でも取り上げられ、校長が9日に会見。ブランド品による服育は教育の一環と主張したが、将来アルマーニも似合うような心身ともにたくましく聡明な子供を育てる方が先決ではないか。(森岡真一郎)

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