2017.10.31 05:00

【甘口辛口】決めてに欠けたリプレー検証、一番近くで見届けた球審の目を優先してもよかったのでは

【甘口辛口】

決めてに欠けたリプレー検証、一番近くで見届けた球審の目を優先してもよかったのでは

■10月31日

 日本シリーズの退場第1号は阪急・岡村浩二捕手だった。1969年の第4戦の四回無死一、三塁で巨人が重盗を仕掛け、三塁から土井正三が突っ込んだ。岡村は完璧にブロックしアウトに見えたが、岡田功球審は「セーフ」。これに激高した岡村がミットで球審を殴打して退場を宣告された。

 翌日の新聞各紙には岡村の股の間から土井が足を滑り込ませた動かぬ証拠の写真が載った。ホームにまたがる岡村のブロックにはわずかな隙間ができることを見抜いていた土井の「神走塁」で、球審の見る目の確かさも評判になった。そんな伝説を思い出したのは、ソフトバンクvsDeNA第2戦でのリプレー検証だった。

 ソフトバンクは七回二死満塁から中村晃が右前打し、二走今宮も頭から本塁に滑り込んだ。牧田球審の判定はアウトだったが、リプレー検証に判断が委ねられた。小欄も何度かビデオを見たが、なんともいえない微妙なプレーで相撲なら「同体と見て取り直し」だろう。結果はセーフに覆り、ソフトバンクが4-3と勝ち越した 審判団は「角度の違う5~6種類の映像」で確認し、戸柱捕手のミットが浮いている間に今宮の左手が入ったことでセーフにしたという。しかし、横からとらえた小紙1面の写真では今宮の左手も浮いていてベースに触れているようには見えない。果たして100%の確証があったのだろうか。

 土井の神走塁のように決定的証拠があれば納得できるが、今回はアウトにするにもセーフにするにも決め手に欠けた感じだ。それなら一番近くで見届けた球審の目を優先してもよかった。シリーズの流れを大きく左右する判定で、後味の悪さが残ったのも致し方ない。 (今村忠)

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