2017.10.29 05:00

【甘口辛口】「ものづくり日本」を再考させられたメーカーの無資格検査問題

【甘口辛口】

「ものづくり日本」を再考させられたメーカーの無資格検査問題

■10月29日

 日本のものづくりについて考えさせられるニュースが相次いだ。昔から職人的なイメージが好きだったSUBARU(スバル)で、出荷前の新車に対する無資格検査の事実が発覚した。かつてレガシィを愛車にし10万キロ以上走った元ユーザーとしては、困惑するとしか言いようがない。

 同じことは日産自動車でも起きていた。アルミや鉄鋼など自動車産業の重要な供給元である神戸製鋼所のデータ改ざん問題は、いまだ全容さえ見えず、どこまで広がるのか見当もつかない。日本製品イコール高品質という評価が崩壊しそうな連鎖だ。

 今月19日の米有力専門誌「コンシューマー・リポート」の自動車ブランド信頼調査では「トヨタ」が1位、トヨタの高級ブランド「レクサス」が2位、SUBARUは前年から5つも上げて6位。日産の高級ブランド「インフィニティ」が7位だった。今、調査し直したらどうなるか。日本のものづくりがマズイのではないか。

 こちらは事件ではないが、国民的国語辞典、岩波書店の「広辞苑」が10年ぶりに改訂され第7版が来年1月に発売される。1991年の第4版は220万部。それが98年の第5版は100万部、2008年の第6版は50万部、今回の第7版は20万部が目標という。何でもスマホで調べられる時代ゆえ。

 日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた13年の映画「舟を編む」は辞書編纂の作業の実態を教えてくれた。新語を採集し、前の版で掲載した語とともに意味と用例を吟味し、表現を磨き、字数を削る。その作業を20万語以上。松田龍平が演じた主人公の役名は「馬締(まじめ)」。信頼を取り戻すには、それしかないのだろう。 (親谷誠司)

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