2017.10.23 05:00

【甘口辛口】論戦の深まりもなくパッとしない総選挙…費用635億円の価値はあったか

【甘口辛口】

論戦の深まりもなくパッとしない総選挙…費用635億円の価値はあったか

■10月23日

 論戦の深まりもなく、微風すら吹かなかった衆院選は選挙戦の最終盤にきて台風に見舞われた。こんな盛り上がらない選挙も珍しい。多くの国民が「なぜいま解散?」と冷めた目で見ていた上に「(希望の党代表の)小池さんが出てこないことが、もっとわかりにくかった」との自民党・小泉進次郎氏の言葉が全てを表していた。

 「(小池氏が)排除という言葉さえ使わなかったら」と希望の党内からは恨み節が聞こえる。党結成メンバーの長島昭久氏(東京21区)は言った。「政策と理念が合致する人はウエルカムといっておけばよかった」。なるほどこれなら反感は買わず、選挙速報も少しはドキドキしながら見られたろう。

 こんなパッとしない選挙でも、総務省の発表では公示日翌日の11日から投票日前日の21日までの11日間に約2137万人が期日前投票を済ませた。有権者の5人に1人にあたる20・10%で史上最多を記録したという。台風の接近で余裕をもって投票しようという人で、21日は行列のできた投票所も多かったとか。

 総務省によると駅や商業施設に期日前投票所の設置が進んだことも増加の一因とか。しかし、最大の原因は、はじめに相手の誹謗(ひぼう)中傷ありきで平行線のままで終わる論戦には意味がないと有権者が見抜いたからかもしれない。投票日まで待っても同じでさっさと投票した人が多かった、と勝手に分析した。

 昔ながらの立会演説会や街頭演説など聴かなくても、ネットで候補者の主張はわかる。極論すれば選挙戦に12日間も必要なく、公示後4~5日もあれば事足りる。今回の総選挙の費用は635億円とか。果たしてそれだけの価値はあったのだろうか。 (今村忠)

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