2017.10.19 05:00

【甘口辛口】将棋の藤井、囲碁の井山が歩くのは学歴偏重がまかり通る中の“超エリートコース”か

【甘口辛口】

将棋の藤井、囲碁の井山が歩くのは学歴偏重がまかり通る中の“超エリートコース”か

藤井聡太四段

藤井聡太四段【拡大】

■10月19日

 「オレ、高校行かないよ」。中学生の息子が突然言い出したら、ふつうの親なら慌てふためくだろう。しかし、高校も大学も関係なく、むしろ「学歴は邪魔」ともいわれる囲碁や将棋の世界なら親は理解を示すのではないか。名人位を奪還し史上初の七冠返り咲きを果たした囲碁の井山裕太七冠(28)は中学卒だ。

 中学1年でプロデビューし「棋士生活に大事な時期と考え、悔いないよう精いっぱい囲碁に専念したい」と高校には進学しなかった。昨年4月に十段になって初の七冠独占に成功。11月に名人位を失ったものの、他の6タイトルを防衛しながら名人戦挑戦権を得ての奪回だった。

 「年間を通じ不調という時期が全くない。超人的な強さ」と関係者は舌を巻く。10代後半の伸び盛りをプロ一本で過ごした選択は正しかったようだが、将棋界ではあの藤井聡太四段が高校進学を控え迷っているという。進学校の名古屋大学教育学部付属中3年で付属高には受験なしで進める。受験生を抱える親にとってはため息の出るような話だ。

 15歳にとって難しい選択。ある将棋の棋士はいう。「学歴で後悔する棋士はいない。中学生にして棋士という職業が成立した藤井四段は既に高収入や社会的な名声も得ているからなおさらだろう。プロ一本ならタイトル獲得も早いが、要は決めた道が正しかったと思えるかどうかだ」。

 中学から脇目もふらずに頂点を目指し、歴史を作った「井山ルート」は悩める藤井四段の選択に少なからず影響を与えるかもしれない。「藤井ルート」が続いて高校に行かないのが超エリートコースとして定着するか。まだまだ学歴偏重主義がまかり通る中でなんとも痛快ではある。 (今村忠)

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