2017.10.6 05:00

【甘口辛口】「沢村賞」争う巨人・菅野と西武・雄星 天国の沢村栄治はダブル受賞を望んでいるかも

【甘口辛口】

「沢村賞」争う巨人・菅野と西武・雄星 天国の沢村栄治はダブル受賞を望んでいるかも

■10月6日

 先日、お伊勢参りで三重・伊勢神宮の内宮に向かっているとタクシーの運転手がうれしそうに話しかけてきた。「ここで沢村栄治の生誕100年の記念試合を行ったんです」。右手に伊勢市倉田山公園野球場が見えた。

 巨人-日本ハムのオープン戦が「沢村栄治生誕100周年記念試合」として実施されたのは3月22日のこと。巨人は高橋監督を含む全員が伝説的大投手の永久欠番「14」をつけて臨んだが1-2で敗れ、プロ野球草創期に活躍した大先輩に勝利を届けることはできなかった。

 三重県宇治山田市(現伊勢市)出身の沢村栄治は、プロ野球史上初を含む3度のノーヒットノーランを達成するなど巨人のエースとして活躍。しかし度重なる徴兵により肩を痛め、プロ通算5年で63勝22敗の成績を残して1944年に27歳の若さで戦死した。34年に全日本に参加し、ベーブ・ルースを擁する全米チームに敗れたものの1失点完投したことも伝説のひとつ。球速は約160キロだったと分析する専門家もいる。

 47年に功績をたたえて創設されたのが、先発投手にとって最高の栄誉とされる「沢村栄治賞」。生誕100周年の今年、その賞を巡り巨人・菅野智之と西武・菊池雄星がハイレベルの争いを演じているのは奇縁だろう。選考基準のうち勝利数、勝率、防御率は菅野が、登板試合数、投球回数、奪三振は菊池が上回っている(完投数は同じ)。甲乙つけ難い。

 ワールド・ベースボール・クラシックでもエースとして奮闘した菅野。シーズン中に審判団から「2段モーション」を指摘され、修正・克服したプロ野球最速158キロ左腕の菊池。天国の沢村栄治はダブル受賞を望んでいるかもしれない。(鈴木学)

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