2017.9.20 05:00

【甘口辛口】野球のラジオ中継は一つの文化…できれば存続の道を

【甘口辛口】

野球のラジオ中継は一つの文化…できれば存続の道を

■9月20日

 「エキサイトベースボール」は野球ファンなら耳にしたことがあるだろう。民放の野球中継の草分けでもあるTBSラジオのプロ野球中継だが、どうやら今季限りで撤退もあるらしい。聴取率低下による広告収入の激減などが理由のようで、これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと盛り上がる時期に何とも寂しいニュースだ。

 もっとも、撤退はいまに始まった話ではなくここ数年、10月の改編期になると見直しを含めて必ず出る案件という。正式発表はまだないが、広告収入減のほか各球場の中継用ブースの使用料などの問題もあるようで、「ラジオ全体が地盤沈下している現状ではやむを得ないのではないか」と関係者。

 テレビでは視聴率の低下で地上波のナイター中継が激減し、ナイター開催のメリットがなくなった各球団は放映権料からデーゲームでの入場料収入中心にビジネスモデルを転換した。そのあおりがラジオにもきたようで既にTBSでは2010年から、土・日曜はレギュラー編成によるナイター枠は廃止している。

 1982年からニッポン放送で解説者を務め「ラジオ人間」を自任する江本孟紀氏(サンケイスポーツ専属評論家)はいう。「見えない人にどう伝えるか、解説者としてはテレビより真価を問われるのがラジオだが、これも時代の流れ。聴取率で競っていたTBSが撤退するとしたら、寂しいというほかない」。

 確かにラジオ中継は想像力をかきたてられる。小欄は1979年の日本シリーズ、広島-近鉄第7戦の「江夏の21球」を仕事先で聞き、鳥肌が立った記憶がある。スマホでも経過がわかる時代だが、ラジオ中継は一つの文化。できれば存続の道を探ってほしいものだ。 (今村忠)

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