2017.9.10 05:00

【甘口辛口】兵庫で開催中「怖い絵展」でドラクエのロトに思い浮かべてはいかが

【甘口辛口】

兵庫で開催中「怖い絵展」でドラクエのロトに思い浮かべてはいかが

■9月10日

 すっかり秋めいてきた午後、兵庫県立美術館の「怖い絵展」をのぞいてきた。兵庫展(7月22日~9月18日)の来場者が9日で20万人を突破し、10月7日からは東京・上野の森美術館で東京展が始まる人気の催しだ。

 日本初登場となる注目作、ポール・ドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(1833年)は噂通り、必見といえる。宗教がらみの政争に巻き込まれ、英国初の女王となりながらわずか9日で王位を追われ、16歳で処刑された女性の最期が劇的に描かれる。

 命令を下したのはプロテスタント迫害で知られる“ブラッディ・メアリー”ことメアリー1世。メアリーの治世も5年で終わり、続く妹エリザベス1世の治世に、イングランドは黄金時代を迎えることになる。所蔵されているロンドン・ナショナル・ギャラリーでは、子供たちがこの絵の前で英国の歴史を学ぶという。

 セイレーン、キルケー、サロメ、クレオパトラにマリー・アントワネット。約80点の美しくも「怖い絵」には、それぞれに物語がある。もちろん撮影禁止のため、会場内でのスマホ検索はご法度。気になる作品はメモや図録とともに後で背景を調べると、二度おいしい展覧会でもある。

 「怖い絵」というタイトルにひかれるのか、常設展の客層とは異なる雰囲気の来場者も多かったようだ。悪徳の町ソドムを天使の導きで去ろうとするロト一家の絵の前で、旧約聖書の登場人物ロトではなく、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの勇者ロトを思い浮かべていた小欄のような方にもおすすめする。特に関西の人はお急ぎを。秋の一日に想像の翼を思い切り広げていただきたい。 (親谷誠司)

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