2017.8.30 05:00

【甘口辛口】理不尽な「スポ根」時代の発想…驚かされた高校野球部の「体罰」

【甘口辛口】

理不尽な「スポ根」時代の発想…驚かされた高校野球部の「体罰」

■8月30日

 いまどき、まだこんな理不尽な「体罰」がまかり通っていたとは驚く。夏の甲子園に2度出場している岐阜の強豪、私立美濃加茂高校野球部で2年生部員の生徒(16)がほとんど水分もとらないまま100メートルを120本走らされた。どんな炎天下でも練習中の水分摂取はご法度とされた「スポ根」時代の発想だ。

 生徒は練習の態度などに問題があったとして、はじめは100本走るよう命じられ、暑い最中の午後1時から約2時間かけて80本走ったところで水を飲んだ。しかし、「許可をとっていない」とさらに30本追加され120本以上走って倒れた。重度の熱中症で緊急搬送され集中治療室で5日間治療を受けたという。

 指導者である前に人としてやってはいけないことだ。命じたのは非常勤講師でスポ根とは無縁の26歳の若いコーチだった。「高いレベルの大学野球の経験者で熱心さのあまり行きすぎた指導になった」と学校は説明したが、死亡という最悪の事態を招きかねない非科学的な罰走と、高いレベルの大学野球は結びつかない。

 先月には新潟県の加茂暁星高校で野球部のマネジャーを務める2年の女子生徒(16)が練習後、3キロ離れた学校まで部員と一緒に走って帰り、到着直後に倒れ2週間後に亡くなった。いつも乗るマイクロバスにけがをした部員が乗ったため「走って戻れ」と監督に指示されたという。これもスポ根時代のような理不尽さを感じた。

 岐阜の生徒は1週間後に退院しコーチは無期限指導停止となった。しかし、近くにいて事態を把握していた監督(33)は厳重注意というのも腑に落ちない。むしろ、監督が全責任をとって辞任すべき重大事案ではないのか。 (今村忠)

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