2016.12.2 05:00

【甘口辛口】稀勢の里が勝てないのは絶対の自信がないから…「日本人の一番強いのはハート」の言葉をかみしめて

【甘口辛口】

稀勢の里が勝てないのは絶対の自信がないから…「日本人の一番強いのはハート」の言葉をかみしめて

■12月2日

 九州場所13日目の朝、大関稀勢の里の後援者からメールが届いた。「優勝したらものすごい甘口で、できなかったら徹底的に辛口で書いてください」。その日の夕方、栃ノ心に敗れ優勝戦線から脱落。極上辛口のコラムを書こうとしたが思いとどまった。

 栃ノ心に敗れる前から自力Vはなかったからだ。結局、横綱鶴竜が14勝1敗で優勝。唯一の黒星をつけた稀勢の里は、栃ノ心に勝っていたとしても優勝できなかったのである。自力Vの可能性があって優勝を逃したのなら辛口でもいいが、そうでないのだから3横綱を連破したことを評価したい。

 とはいえ、喫した3敗は全て平幕相手。序盤での2敗がなければ優勝争いに絡めただけに、もったいなかったのも事実だ。3日目の遠藤との一番は、初日と2日目に見せた張り差しを見舞っておけば簡単に押し出されることはなかっただろう。栃ノ心との一番は、前の場所で変化されて負けたことが脳裏をよぎったのか、藤島親方の見解どおり「見ながらの立ち合いで踏み込みが全くなかった」。

 迷いがあるのだ。安定感抜群で強いのに、平幕にあっさり負けたり、ここ一番で勝てなかったりするのは、自分に絶対の自信を持てないからだろう。だからプレッシャーに弱いといわれる。格下相手には格上らしく堂々と戦えといいたい。

 かつて「日本人の一番強いのはハートだ」と、ある人に言われたという。「だから(胸を指さして)ここで外国人には勝たないといけないと思っている」。今一度、その言葉をかみしめてほしい。来年の綱とりに向け、メンタルを磨くため勝負師と呼ばれる人たちの話に耳を傾けてみてはどうか。収穫は多いはずだ。 (鈴木学)

今、あなたにオススメ
Recommended by