■9月19日
汚染対策の盛り土がなかった上、地下水からヒ素やら六価クロムが検出され豊洲市場は八方ふさがりの格好だ。ヒ素も六価クロムも微量で専門家の見解は「安全性に問題なし」と判で押したような見解。とはいえ微量でも検出されたのは事実で、ピンポイントでの測定では全面的に信用するわけにはいかない。
何といってもナマものを扱う場所。100%安全にしてほしいが、地下の空間の盛り土は技術的に難しく、水がたまりやすいのでコンクリートを流し込んでも固まりにくいのは素人でも想像がつく。半年か1年か、あるいは2〜3年になるのか。かなり長期戦になりそうな雲行きではある。
都民の健康に関わるだけにやむを得ないが、同時進行する移転後の築地市場跡地を通る「オリンピック道路」はタイムリミットがあるだけに厄介だ。都心と臨海部の会場を結ぶ重要なルートで11月7日の予定だった豊洲移転も、五輪から逆算して工期が何とか間に合うように設定されていた。
今月初め東京五輪組織委員会の森会長が東京都の小池知事に「きちんと着手できるのか」と念を押したが、盛り土問題発覚で状況は激変した。移転のメドが立たなければ東京五輪そのもののピンチになる。豊洲問題を抱えながら小池知事はパラリンピック視察先のリオで「バリアフリー対策を徹底しなければ」などと東京大会成功へ向けて発信している。
その上、道路問題まで小池知事におんぶに抱っこ…。ではなく、万一に備え組織委員会も文科省などと対策チームを作って代替案を用意しておいてはどうか。五輪関係者にとっても、地下だけにお先真っ暗な豊洲問題は人ごとではないはずだ。 (今村忠)