ミスターガンバらしい“ラストマッチ”だった。12月5日、リーグ最終戦でJ1G大阪を今季限りで退団するFW播戸竜二が、ホーム万博のサポーターに別れを告げた。
来季のACL出場権を得て迎えたリーグ最終試合。さよならセレモニーのような雰囲気があった。後半10分過ぎ、西野監督に呼ばれてベンチ前で背番号11が交代準備を始めると、スタンドがざわめく。すると、FW山崎がペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。一度はボールを持ったMF遠藤も、サイドラインに立つ男をみながらニヤリ。誰もが引きの強さに驚き、スタジアムが異様な高揚感に包まれた。だが、交代が認められない。「バンに譲ろうと思ったんですけどね…」と名手も苦笑いでゴールネットを揺らした。
それでもめげないのが、闘魂ストライカーだ。いつも以上に鬼気迫る表情でゴールに向かって突進する。そしてロスタイムにビッグチャンスが訪れる。遠藤からのキラーパスでGKと1対1の絶好機。だが、こん身の左足シュートはGKに弾かれ、ゴール外に…。サポーターのため息とともに、無情のホイッスルだ。
「みなさん、きょうも最後の最後までゴールを決められずに申し訳ありません。けど、まだ12日(天皇杯準々決勝)があります。29日(同準決勝)も、そして元旦(同決勝)があります。またみんなで優勝しましょう!!」
試合後は竜二コールに応えてマイクを握り、最後は「1、2、3、バーン!!」で締めた。シュートを外したFWへの叱責を忘れたサポーターは、大盛り上がりで家路についた。これぞ、播戸劇場。だけど、ここ一番は外さない男だ。2年連続の天皇杯決勝ゴール。あると思います。
(川端亮平)