高校サッカーを見ていて思う。
「すごい! こいつは、すごい!」
鹿児島西城のFW大迫勇也(3年)のプレーに思わず目を奪われる。4試合連続で2得点ずつを挙げ、計8得点10アシスト。圧倒的な初速スピードからの正確無比なシュート、そしてパス。今や時代遅れの言葉「超高校級」も、しっくりと当てはまる。
だが、同時に思う。「あれれ? あっけないなぁ〜」と。
素材としては申し分ない。間違いない。だが、あまりにもディフェンスがあっさりと突破を許しすぎているのではないか…。学生時代にDFだった僕としては、つい「もう少しなんとかならないものか…」と感じてしまう。もっと別の戦い方があるのではないか、と。
地域差がなくなった。W杯や欧州サッカーが身近になり、様々なサッカー情報が溢れている昨今。日本全国どのチームを見ても、「中盤でボールを繋いで綺麗に攻める」という印象だ。例えば、「これが静岡のサッカーだ!」や「見ろ! 北国のサッカーを!」というような特長がなくなってしまった感じだ。決して悪いことではないないのかも知れない。だが、日本全国が同じ方向を向いて同じサッカーを目指すことによって、見ている方の面白味がなくなるのも、また確かだ。
サッカーにはトレンドはあれど、戦術はひとつではない。「勝負」を重視すれば、もっと徹底的に「守る」チームがいてもいいのではないか…。高校サッカーも、残すところ準決勝と決勝のみ。“大迫勇封じ”を完遂するチームの出現に期待する。そうすれば、将来の日の丸を背負う逸材にとっても、もっと成長できるはずだから…。
三和 直樹(みわ・なおき)
1979年(昭和54年)1月1日、大阪府生まれ。天理大卒。06年3月入社。取材に行った関西J4球団で10戦連続勝ちなしを経験し、“負の男”と名付けられた。趣味はサッカー、麻雀と競馬を少々。好きな食べ物はポテトチップス。昔は鋭い読みと高い身体能力が武器のセンターバック。