2007年11月22日 更新
北京で恩返しするぞ!水野「オシムさんにいい報告ができる」

水野は実父に、そしてオシム監督に北京切符を贈った(撮影・塩浦孝明)

4万超のサポーター。オシム監督への横断幕も(撮影・塩浦孝明)
北京五輪アジア最終予選(21日、国立競技場)歓喜の瞬間。普段はみんなと一緒にはしゃぎ回る水野が、天を見上げて1人で喜びに浸る。苦しい日々、そして“父”への思い。
「涙? 正直、オシムさんのことで…。いい報告ができた。まあオシムさんなら、お前は試合に出てたのかと言われると思う。今の日本のサッカーは、オシムさんが影響を与えてくれたサッカー。それをアピールできてよかった」。水野はかみ締めるように話す。親しみを込めて「お父さん」と呼ぶ存在だ。
“2人の父”が育ててくれた。実父・一早さんがプロ入りの道を開いてくれた。静岡・清水商3年時。プロからの誘いもなく、筑波大の推薦入試も失敗。清商と提携関係だった中京大に出願したが気が進まない。「サッカーをやめるしかないなと思った」。就職資料を取り寄せたりもした。
そんなとき、J1市原(現千葉)からオファー。清商からは「提携がなくなったらどうする? 今のお前なら2、3年で終わるぞ」と言われた。だが一早さんが清商側に謝罪。晴れてプロ入りできた。
そこでオシム監督と出会う。「A代表でレギュラーになれる才能がある」と評され、厳しく指導されたが、いいプレーをすればほめてくれた。「ほんと選手をよく見てくれた」。老将の笑顔が元気の源だった。
「Wユースのとき、1勝もできなくて悔しかった。その時から、北京に行くのが目標。もっといいプレーをできるよう、練習したい」。今度こそ、世界でも大暴れする。
★サポーターが北京出場を後押し、川淵Cも感謝感謝
北京五輪出場がかかった決戦が行われた国立競技場には4万2913人のサポーターが詰め掛けた。
これまでの2次予選、最終予選では不入りに頭を悩ませた日本サッカー協会だが、この日ばかりはサポーターの大声援が競技場にこだました。川淵キャプテンは「ファンの声援があって引き分けられた。サポーターの力で北京行きを決められたと感謝している」と話した。
◆北京五輪で連覇を目指すアテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリスト、室伏広治(ミズノ)
「北京五輪出場決定、おめでとうございます。本番でも持てる力を十分に発揮できるようにお互いに頑張りましょう」
◆アテネに続き北京五輪出場も決定的な卓球女子のエース、福原愛(ANA)
「サッカーのみなさん、プレッシャーのある中、北京五輪出場、本当におめでとうございます。私も同じ舞台に立てるよう最後まで気を抜かずに頑張っていきたいと思います」
◆12月の野球アジア予選よりひと足先の北京出場決定について野球日本代表・星野仙一監督
「よかったね。団体競技がオリンピックに出ることはいいこと」
◆竹田恒和・日本オリンピック委員会会長
「頑張ったと言いたい。サッカーは日本でも人気スポーツですし、チーム競技の活躍は日本選手団全体に大きな影響をもたらすのでよかった」
★アマル監督も勝利祝福…父入院中の病院でテレビ観戦
試合終了直後、千葉のアマル監督から、日本代表スタッフに祝福の電話が入った。アマル監督は、オシム監督が入院する病院でテレビ観戦していたという。連絡を受けた日本代表の加藤GKコーチは「おめでとう、という連絡があった。みんなによろしく伝えてほしい、といっていた」と説明した。病床で闘うオシム監督にとって吉報となったはずだ。


◆96年アトランタ五輪で活躍した元日本代表MFで解説者の前園真聖氏
「五輪が決まってよかった。後半は日本のいい面が出ていた。シュートで終われるようなシーンが多く、攻撃的な気持ちが出てきたのはいいと思う。次は世界。個々のレベルアップをしてほしい。チームとしてはまとまったけど、リーダーが出てくることを期待している」