北京五輪ニュース

2008年04月21日 更新

【柔道】塚田、史上初の7連覇で北京決定…78キロ超級

塚田(正面)が前人未到の7連覇。不動の女王が北京へ向かう(撮影・奈須稔)

塚田(正面)が前人未到の7連覇。不動の女王が北京へ向かう(撮影・奈須稔)

 全日本女子選手権(20日、横浜文化体育館)強すぎる! 北京五輪78キロ超級代表の最終選考会を兼ね、塚田真希(26)=綜合警備保障=が田辺陽子(42)を抜いて史上初となる7連覇を達成した。7度目の優勝も史上最多。アテネ五輪同級金メダリストの塚田は、試合後の全日本柔道連盟の強化委員会で北京五輪代表に選ばれた。塚田は力強さと得意の寝技などを生かして準決勝まですべて一本勝ち。決勝は薪谷翠(27)=ミキハウス=に旗判定で優勢勝ちした。薪谷は今大会を最後に現役引退を表明した。

 3本の赤旗が同時にあがった。前人未到の7連覇。不動の女王、塚田は一礼すると、決勝で対戦した薪谷へ歩み寄って手を差し出した。

 「ありがとうございました…」。声にならない。互いの大きな肩へ顔を埋め、嗚咽(おえつ)をもらした。田辺陽子(42)の記録を抜く偉業達成だ。

 奥えりを取って、相手の技を封じた。2分43秒、攻め手のない薪谷に指導が出された。準決勝まで、体落としや足技から得意の寝技に持ち込み、4戦連続一本勝ち。3月にねんざした右足首には緩衝材をはさみ、テープで固定しながら、頂点に立った。「(決勝で)戦えるのを、1人の柔道ファンとして誇りに思いました。久しぶりに全力を出し切りました」。

 9年前、筑波大での出げいこで、苦しむ高校3年生を励ましてくれたのが、1つ年上の薪谷だった。心が通じ、合宿では食べ歩き仲間に。薪谷がじん帯を断裂したときは、「畳に戻ってくるのを待っています」と手紙を書いた。この大会で引退を決めた、最大の理解者との最終決戦を制した。

 先輩も励ます。29日の全日本選手権(日本武道館)には東海大の先輩で、北京五輪代表選考のラストチャンスに望みをかける井上康生(29)=綜合警備保障=が出場する。今月上旬の全日本選抜体重別選手権100キロ超級で優勝した際、塚田は客席で井上の夫人・亜希さんの“警護役”として、そろって観戦。抱き合って喜んだ。背水の井上にも刺激になったはずだ。

 「いろんな人の思いを背負って代表になるんだと自覚して、金メダルを目指していきたい」。女子最重量級では初、国内女子では谷亮子(32)=トヨタ自動車=に次ぐ2人目の五輪2連覇へ。涙でぬれた五輪キップを輝くメダルにかえてみせる。

(周伝進之亮)

◆日蔭暢年・日本女子監督

「塚田は経験、実績、実力すべて十分で、(強化委員会の)満場一致で代表に選んだ。中国選手に勝てるのは塚田しかいない」

◆全日本女子選手権で6連覇した田辺陽子・日大女子柔道部監督

「おめでとうとエールを送りたい。7連覇のプライドを力として五輪に臨み、連覇を達成してほしい」

■塚田 真希(つかだ・まき)

 1982(昭和57)年1月5日、茨城・下妻市生まれ、26歳。アテネ五輪78キロ超級金メダリスト。世界選手権は同級で03年2位、05年3位となり、昨年は同級2位、無差別級で優勝した。全日本女子選手権7連覇。得意は大外刈り。東海大出、綜合警備保障。1メートル70、125キロ。