2008年04月17日 更新
【水泳】3大会連続五輪&金見えた!中西悠子がビックリ日本新

最後の最後で逆転し、日本新記録で北京行きを決めた中西は笑顔でガッツポーズ(撮影・奈須稔)
日本選手権第2日(16日、東京辰巳国際水泳場、観衆=3279)アテネ五輪女子200メートルバタフライ銅メダルの中西悠子(26)=枚方SS=が100メートル決勝で58秒52の日本新記録をマークし、3度目の優勝を達成。2位の加藤ゆか(21)=山梨学院大=とともに派遣標準記録を突破し、北京五輪代表に決定した。本職の200メートルでも自己記録を更新し、北京へ弾みをつける。この日は6人が五輪代表に決まった。
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第一人者の意地をみせた。50メートルの折り返し地点で3番手に甘んじた中西だったが、終盤に怒涛(どとう)の追い上げ。加藤、土肥亜也子(コナミ)とのタッチ勝負となったが、電光掲示板に表示された順位は1位。58秒52の日本新記録まで達成し、大きな瞳に涙が浮かんだ。
「ビックリの一言。まさかこんなに良いタイムが出るとは思っていなかった」。15日の準決勝で土肥が打ち立てた記録を0秒07更新。3人が0秒13の間にひしめき、涙をのんだ土肥も派遣標準記録を切る激戦を制したのは、経験豊かなベテランだった。
シドニーから3大会連続の五輪出場となる。8年に渡って日本女子バタフライを引っ張ってきたぶん、体へのダメージは蓄積されていた。年末年始は豪州で約1カ月の高地合宿を行ったが食事はすべて自炊。自分で栄養バランスを考えた。
持ち味だった上半身の強さも、日頃の努力で補っている。毎日プールサイドで懸垂を30回続け、多いときは1日100回取り入れた。体が大きくなった成果は現れ、2月の日本短水路選手権では200メートルで世界新記録を樹立。長水路の日本新記録につながった。
「これでアカンかったら、引退するつもりでやってきた。北京では一番高いところのタイムを出したい」。メーンに考えている200メートルは、06年8月のパンパシフィック選手権を最後に自己ベスト更新から遠ざかっている。シドニーは7位、アテネは銅メダル。3度目の正直で、中西が北京で金メダルを狙う。
(江坂勇始)
■中西 悠子(なかにし・ゆうこ)
1981(昭和56)年4月24日、大阪府生まれ、26歳。競泳女子100メートルバタフライ。200メートルバタフライで04年アテネ五輪3位、世界選手権は03、05年で3位。近大出。枚方SS所属。1メートル65、55キロ。
★加藤ゆか−女子100バタ
■加藤 ゆか(かとう・ゆか)
1986(昭和61)年10月30日、愛知県生まれ、21歳。競泳女子100メートルバタフライ。07年世界競泳6位。山梨学院大所属。1メートル58、52キロ。
★宮下純一−男子100背
◆宮下純一
「水泳人生を懸けて、この試合に臨んだ。最高です。(五輪は)小さいころから思い続けて、やっとかなった。一人でも多くの子どもに夢を与えられるレースをしたい」
■宮下 純一(みやした・じゅんいち)
1983(昭和58)10月17日、鹿児島県生まれ、24歳。競泳男子100メートル背泳ぎ。06年アジア大会100メートル背泳ぎ優勝。筑波大出。ホリプロ所属。1メートル83、74キロ。
★末永雄太−男子100平
◆末永雄太
「半年前、引退しようかとも思ったが、いろいろな人に支えられてここまできた。これからも自己ベストを更新して、五輪では(北島)康介さんと決勝の舞台で戦いたい」
■末永 雄太(すえなが・ゆうた)
1985(昭和60)年4月7日、神奈川県生まれ、23歳。競泳男子100メートル平泳ぎ。07年ユニバーシアード200メートル平泳ぎ5位。法大出。チームアリーナ所属。1メートル75、72キロ。

★森田智己−男子100背
アテネ五輪男子100メートル背泳ぎ銅メダルの森田智己(セントラルスポーツ)が54秒03で7連覇を達成=写真。自身が持つ日本記録には届かなかったが、派遣標準記録Iを突破し、北京五輪代表に決定した。「この4年間は長かった。いろんな人に支えられて、水泳を続けることができた」と感無量の表情。「一番強いのは日本人だと世界にアピールしたい」と五輪での飛躍を誓った。
■森田 智己(もりた・ともみ)
1984(昭和59)年8月22日、宮城県生まれ、23歳。競泳男子100メートル背泳ぎ。アテネ五輪100メートル背泳ぎ銅メダリスト。世界選手権400メートル混継で05年3位、07年2位。日大出。セントラルスポーツ所属。1メートル69、70キロ。
★中村礼子は日本新!女子100背
女子100メートル背泳ぎ予選でアテネ五輪200メートル銅メダルの中村礼子(東京SC)が、日本人として初めて1分を切る59秒96の日本新をマーク。準決勝はさらなる好タイムの期待が懸かったが、予選より0秒09遅い1分0秒05だった。「もう1回、59秒台を出したかった。力みが出てしまった」。25歳のベテランは決勝で北京切符と記録更を狙う。
■北京への道
過去の成績は一切考慮されず、今大会だけで決まる一発勝負。日本水連が過去3年の記録を元に設定した派遣標準記録を決勝でクリアし、かつ2位以内に入れば北京五輪代表となる。派遣標準記録Sは五輪3位以内、同Iは8位以内、同IIは16位以内(準決勝進出)に相当する。派遣標準IIが事実上の通過ライン。少数精鋭主義を取るため、国際水連が定めた五輪参加標準記録を上回る世界的にも厳しい基準だ。


◆加藤ゆか
「こんなにうれしい2番は今までで初めてです。やることはやってきたと、自分を信じて泳いだ」