2007年09月19日 更新
【レスリング】“破壊王”加藤5位入賞で3大会ぶり五輪枠獲得

3位決定戦でレザエイ(下)を攻めた加藤だが、0−2で敗れた(共同)
世界レスリング第2日(18日、アゼルバイジャン・バクー)男子グレコローマン96キロ級の加藤賢三(自衛隊)は3位決定戦で敗れ、5位となった。日本選手として五輪、世界選手権を通じ、グレコ重量級初のメダル獲得はならなかったが、今大会の8位以内に入ったことで、同重量級で日本にとって3大会ぶりとなる北京五輪の出場枠をもたらした。74キロ級の鶴巻宰(自衛隊)は3回戦、84キロ級でアテネ五輪7位の松本慎吾(一宮運輸)は1回戦で敗退した。
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世界に近づいた。26歳の加藤が3位決定戦でガセム・レザエイ(イラン)に0−2で敗れたものの、5位入賞。日本選手が苦手とするグレコの90キロ以上のクラスで、96年アトランタ五輪以来3大会ぶりとなる五輪出場枠をもたらした。
「(3位決定戦は)勝ちにいったがダメだった」と汗を拭った加藤だが、「重量級は勝てないと言われてきたので、(五輪出場枠を)取れてうれしい。やればできることを後輩たちに見せられた」と胸を張った。
下半身の攻防が禁止のグレコは日本人の特性を生かせない。特に重量級は外国人のパワーに劣勢を強いられる。加藤は全日本王者になりながら昨冬のドーハ・アジア大会は重量級の派遣を見送られ、「コノヤロウという気持ちだけでやってきた」と告白した。
週に4日は筋力トレーニングを行い、ベンチプレスでは150キロを挙げる。プロレスラーの故・橋本真也さんのファンで、6月の全日本選抜選手権では橋本さんのテーマ曲「爆勝宣言」を流して入場した。“アマレス界の破壊王”は、熱い思いをぶつけた。初戦の2回戦のフォール勝ちで勢いに乗り、3回戦でロマン・メドゥナ(スロバキア)に2−1で逆転勝ちし、4回戦はヨバニ・リマ(キューバ)にフォール勝ち。準決勝と3位決定戦で敗れたが、強さを世界にアピールした。
北京五輪を競技生活の集大成と位置付け「世界選手権はこれが最後」と決めていた。今大会でのメダル獲得が条件だった五輪代表内定は逃したが「全日本で優勝して決められるようにする」と国内選考会で再挑戦する。
(江坂勇始)
■加藤賢三(かとう・けんぞう)
1980(昭和55)年9月28日、愛知県生まれ、26歳。愛知・星城高−大東大−自衛隊。高校時代は国体で優勝し、大東大進学後の00年には世界ジュニア選手権で8位入賞。03年世界選手権に出場したが、04年アテネ五輪出場を逃す。昨年の全日本選手権で4度目の優勝。世界選手権は4度目の出場。1メートル83。
■グレコローマンスタイル
競技者は腰から下を攻防に用いることができない。古代ギリシャ、ローマで実施されたルールに由来し、豪快な投げ技やリフティングが見どころ。これに対して全身を用いるのがフリースタイル。女子の公式種目はフリースタイルのみが行われている
■レスリング世界選手権
グレコローマンは1904年から、フリースタイルは51年から始まり、61年以降は五輪開催年を除く毎年開催されている。女子は87年にスタート。男子は3位以内、女子は五輪実施4階級で優勝すれば、北京五輪の日本代表に内定する


◆富山英明総監督
「(日本の重量級の選手に)やっぱりできるんだという刺激を与えた。これは大きい」