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“日本育ち”ワンジル夢叶え金!/マラソン (2/2ページ)

2008.8.25 05:14
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“日本育ち”ワンジル夢叶え金!/マラソン
五輪新でゴールするワンジル。日本育ちのランナーが、ケニアに金メダルをもたらした(撮影・浜坂達朗)【フォト】

 「鳥の巣」に姿を現したワンジルが、大歓声のスタンドへと左手を突き上げた。余裕の足取りでゴール。国旗をマント代わりに、夢心地のウイニングランを満喫した。

 「ゴールしたら、結構いい気持ちだったです。我慢、我慢。それができた。完璧です」。流暢な日本語で喜びを口にした。日本ゆかりのニュースター誕生だ。

 号砲の午前7時30分ですでに気温24度。それでも灼熱の北京を飛ばした。続々と脱落者が出て、30キロからはメルガ(エチオピア)、ガリブ(モロッコ)との三つどもえに。「マラソンは35キロから」と日本で学んだ経験通り、36キロでスパートすると勝利への街道をひた走る。84年ロサンゼルス五輪でロペスが打ち立てた2時間9分21秒の五輪記録を、24年ぶりに更新する快走だった。

 シマウマや象が暮らす標高2000メートルのサバンナで育った。同郷で96年アトランタ銅、00年シドニー銀と五輪2大会連続メダリストのエリック・ワイナイナ(44)にあこがれ、15歳で仙台育英高に留学。覚えたての日本語で、友達に「北京五輪で金メダルを取る」と夢を打ち明けた。

 卒業後は実業団のトヨタ自動車九州に進み、92年バルセロナ五輪銀の森下広一監督(40)に師事。「おれは五輪で銀メダルだった。お前は北京で金を取れ」。恩師は“我慢の走り”を伝授した。

 「ずっとその言葉を考えていた。森下さんに金メダルを見せたい」

 月間の走行距離は700キロ。日本の練習法を吸収し、素質を開花させた。今後も拠点は日本。五輪金の次にも、大きな目標が待っている。

 「来年(9月)のベルリンマラソンに出て、2時間3分台の世界新記録を出したい」。日本育ちの21歳の夢は、尽きることがない。(周伝進之亮)



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