誰にも前を泳ぐことを許さなかった。2大会連続2冠の偉業を達成した北島康介選手(25)は1度も先頭を譲らず、圧倒的強さで2分余のドラマの主役を堂々と演じきった。
「もう1回この舞台に戻ってくると思っていなかった…うれしいです」。歴史的な勝利を決めた直後のインタビュー、北島選手の口調は予想外に静かだった。興奮のあまり「チョー気持ちいい」とほえたアテネ五輪とは別人のよう。
自らの世界記録は更新できなかった。「記録出なくて、ちょっと悔しい」としながらも、さわやかな笑顔には貫禄すら漂った。
メダルを胸に場内を一周。観客席の一角に両親や知人の姿を見つけると何度もガッツポーズをした。100メートル優勝時に見せた涙はなく、笑顔で花束を投げ入れると、同じ200メートル平泳ぎのバルセロナ五輪金メダリスト岩崎恭子さんが受け取る一幕も。両親は「本当にうれしい」と、偉大な息子に拍手を送った。