勝利の雄たけびが、会場にこだました。第2セット途中で荻野正二主将(サントリー)と交代させられたゴッツの闘争本能に火がついた。第3セットからコートに戻ると、時速120キロ近いサーブや打点の高いスパイクで韓国を圧倒。顔を紅潮させ、鬼の形相でほえまくった。
「苦しいときに荻野さんが入って、チームのムードを変えてくれた。自分もそれに近いプレーをしようと心がけた」。右ひざにはテーピングとサポーターが巻かれていたが、痛みを感じさせない野人ぶりだ。
筑波大3年生だったアテネ五輪世界最終予選はスタンドで応援。世界を意識したのは、テレビ観戦したアテネ決勝のイタリア−ブラジル戦だった。あこがれは強く、大学の先輩でイタリアで活躍した加藤陽一(JT)に頼み、セリエA2に所属するクラブチームの練習に参加した。
堺入団後も06年9月から07年3月までブラジルのクラブチーム、タウバテーとウルブラの2チームで活躍。翌4月から日本へ戻ったが、最高峰で腕を試したい気持ちはくすぶっている。「五輪に出場すれば海外(リーグ)で戦えるチャンスがある」と北京で夢を実現させる構えだ。
「今までの韓国戦で一番きつかったが選手たちはよく粘ってくれた」
就任以来、ライバル国に4戦全勝となった植田辰哉監督(43)は胸を張った。豪州と2勝1敗で並び、アジア枠を勝ち取るためには6日の直接対決が大きなヤマになる。その前にまずはタイ戦だ。昨年9月のアジア選手権では不覚を取った。絶対に負けられない戦いに向け、ゴッツが爆発する。
(江坂勇始)