【第37号】桜井孝雄−「芸術」の域に達したテクニシャン
(64年東京・ボクシング・バンタム級)

1964年東京大会、ボクシング・バンタム級で金メダルを獲得した桜井孝雄
日本で唯一無二のボクシング金メダリスト。「芸術」とまで言われた中大4年生、23歳の桜井のテクニックが日本を熱狂させた。4試合を文句のない内容で勝ち抜き迎えた鄭(韓国)との決勝戦。同じサウスポー同士の対戦で、1回、左ストレートで早くもダウンを奪う。2回にも2度のダウンを奪う完勝で、RSC勝ち。日本ボクシングにとって、アムステルダム五輪に初参加以来36年目の悲願達成だった。
千葉県佐原定時制高1年のときにボクシングに出会い、両親に内証でトレーニングを続け、減量地獄にもうち勝っての金だった。
だが、こうなると世間はほっておかない。翌65年プロ転向。22連勝して迎えた世界バンタム級タイトルマッチ、ライオネル・ローズ(豪州)戦。桜井は2回に早くもダウンを奪うが、終盤反撃され、判定負け。その後、東洋王者になったが、30歳で世界1位のまま引退した。プロ戦績は32戦30勝(4KO)2敗。
現在はボクシングジムを開設。長男の大佑は、フェザー級で高校関東大会優勝。父に続く五輪出場を目指している。

