夏季五輪ヒストリー

【第34号】岡野功−小よく大を制した「昭和の三四郎」
(64年東京・柔道・中量級=80キロ以下)

岡野功
★小柄な体で全日本選手権も制する

柔道2番手で金の凱歌を挙げたのは、弱冠20歳の中大生、岡野だった。

事実上の決勝といわれた準決勝の金戦は、3度の右小内刈りで優勢勝ち。決勝もホフマン(ドイツ)を問題にせず、横四方固めで一本勝ち。柔道2個目の金を獲得した。

中量級は、もっとも層の厚かったクラス。日本代表になることの方が難しかったといわれる。事実、岡野が本番に向かってもっとも恐れたのがけが。右ひざを痛め、得意の立ち技から寝技中心に練習を切り替えての心憎い勝利だった。

小さな体で大型選手を投げ飛ばすことに魅せられて柔道の世界に入った。五輪の3年後の昭和42年に、得意の背負い投げで、全柔道家のあこがれである体重無差別の全日本選手権制覇を果たす。さらに2年後にも2度目の制覇。

まさに小よく大を制す。身長1メートル71、70キロの体で大きな相手を投げ飛ばす姿は、「昭和の三四郎」の異名をうんだ。