夏季五輪ヒストリー

【第17号】池田三男−畑仕事で鍛えた腕っぷしで強豪撃破
(56年メルボルン・レスリング・フリースタイル・ウエルター級=73キロ)

池田三男

大会10日目の12月1日。日本勢の不振にやきもきしていた国民に最初の金メダルを届けたのは、ヘルシンキに続きレスリング。それも世界選手権者バラワーゼ(ソ連)、W杯王者ゼンギン(トルコ)ら強豪がひしめく激戦区ウエルター級の池田三男だった。

池田は、1、2回戦連勝のあと、3回戦でバラワーゼに判定勝ち。4回戦でゼンギンと対戦した。相手の怪力の前に苦戦したが、最後のスタンドでロータックルから体固めで相手の動きを封じ、3−0の判定勝ち。決勝リーグ進出者が池田、ゼンギン、バラワーゼの3人となったため、試合をすることなく金メダルが決まった。

北海道の日本海沿岸の寒村・増毛村の出身。子供時代から畑仕事で鍛えた腕っぷしは、小学校6年時に40キロ近い芝草をかついでいたほど。郷里の先輩で、中大レスリング育ての親、松江喜久弥にスカウトされ、スパルタ式の猛トレーニングに耐え抜いて、大輪の花を咲かせた。