【第15号】寺田登−無心の19歳、水のマラソン制す
(36年ベルリン・水泳・男子1500メートル自由形)

競泳の最後を飾る男子1500メートル。水のマラソンレースを制したのは19歳、静岡見付中から慶大に進んだ寺田登だった。
最初の50メートルのターンからリードを奪い、徐々にその差を広げる。19分13秒7のタイムでゴールしたとき、2位・メディカ(米国)との差は25メートルにまで開いていた。日本は前回の北村に続く連覇。鵜藤俊平(立大)が銅メダル。
寺田の郷里・磐田では、「寺田勝った」の大歓声が夜明けまで絶えず、朝5時までサイレンや、花火、ちょうちん行列で祝ったという。
水泳選手には珍しい、筋肉質のずんぐりした体形。小学校時代、見にいった水泳大会で、人数が足りないからと飛び入り出場し1位になったのが競泳との出会い。大会前の選考会では、鵜藤に敗れ、本番も鵜藤のペースメーカーのつもりだったが、「1000メートル過ぎても出てこないので、そのまま行った」という無心の優勝だった。
引退後は慶大の監督などをつとめ、86年68歳で没。

