【第14号】葉室鉄夫−平泳ぎニッポンの伝統守り3連覇達成
(36年ベルリン・水泳・男子200メートル平泳ぎ)
手のかきは現在のバタフライで、足のかきはかえる足というバタフライ式平泳ぎが正式に承認された初めての五輪。ヒギンズ、ゲスレー(米国)、バルケ(ドイツ)といった選手が新泳法で挑んだ過渡期の男子200メートル平泳ぎ決勝で、鶴田義行から続く平泳ぎニッポンの伝統を守ったのが、19歳の葉室鉄夫だった。
オーソドックスな泳ぎで45メートルごろから先頭に立つと、180メートル過ぎで一度ジータス(ドイツ)に抜かれたが、ラストスパートで、抜きかえし1着でゴール。見事日本の五輪3連覇を達成した。
体力、気力を使い果たした葉室は、ゴール後しばらく死んだようにプールに浮き上がり、動けない。葉室はそのときのことを、「息ができないくらい苦しかった」と述懐している。前回の銀メダリスト小池禮三が銅。
同じ浜寺水練学校出身の妻・三千子さんも、代表選考会で金メダリスト・前畑秀子と競った元平泳ぎ選手で、後日マスターズ水泳で世界記録を作り話題になった。娘のカヤ子さんも東京五輪代表候補に入った水泳一家だった。

