【第7号】鶴田義行−最年長28歳、日本選手初の連覇
(32年ロサンゼルス・水泳・男子200メートル平泳ぎ)
競泳最終日の8月13日。10代が主力の日本の中にあって、最年長28歳の鶴田が、前回アムステルダム大会に続く連覇を成し遂げた。
平泳ぎでも若手の台頭は著しく、一度は引退を決意したほど。下馬評では、静岡・沼津商業の16歳、小池禮三が本命視されていた。
決勝には2人のほか、中川重雄も出場。逃げるジータス(ドイツ)を鶴田、小池が猛追。残り50メートルで鶴田がトップに立ち、ゴールインした。小池が銀メダル。2分45秒4の優勝タイムはは予選で出した2分45秒2の五輪新記録に迫る好タイムで、日本選手初の連覇に花を添えた。
『苦しみから逃げる者は、永久にその苦しみに追われる。苦しみに自ら突入し、これを突破するものこそ、永久に楽を得られる』との言葉を残した鶴田。大偉業に日本中が沸いたが、大会参加で勤務先の満鉄を欠勤扱いとなったため、昇給とボーナスをカットされるという、今から思えば信じられないような逸話も残っている。
戦後は水泳の底辺拡大に力を注ぎ、86年、82歳で死去した。

