2007年10月31日 更新

秋も佑ちゃんが決めた!15K初完封で早大3連覇

優勝パレードでは大勢の学生に囲まれ、斎藤は会心の笑みをみせた(撮影・春名中)

優勝パレードでは大勢の学生に囲まれ、斎藤は会心の笑みをみせた(撮影・春名中)

最後までマウンドを守り抜いた斎藤(左)は駆け寄る捕手の川本と抱き合って喜び爆発

最後までマウンドを守り抜いた斎藤(左)は駆け寄る捕手の川本と抱き合って喜び爆発

 東京六大学野球最終週最終日(30日、神宮)千両役者の投げっぷりだ! 早大の斎藤佑樹投手(1年)が慶大を4安打に抑え、自己最多の15三振を奪う今季最高の投球でリーグ戦初完封。早慶戦通算200勝となる7−0快勝を果たし、勝ち点4で並ぶ明大を勝率で上回り3季連続40度目の優勝を遂げた。斎藤は防御率0.78で最優秀防御率、春に続くベストナインも獲得。11月10日開幕の明治神宮大会で、春の大学選手権優勝に続く日本一にチャレンジする。

 両拳を突き上げた。斎藤を中心に歓喜の輪が広がった。スーパールーキーが1人でマウンドを守り抜き、マウンド上で笑顔を爆発させた。

 「3連覇の実感はまだ沸かないです。最後までマウンドにいられたので、春よりきょうの方がうれしいです」

 優勝のかかった今季最終戦は、最高の投球だった。一回に4点の援護をもらうと、立ち上がりからアクセル全開。先頭の漆畑、宮田を連続見逃し三振に取ると、これまでの9個を大きく上回る、自己最多の15奪三振。捕手の細山田が「配球が読まれているのを逆手にとった」と、これまで変化球でかわすこともあったが、この日は一転して直球を多投し、慶大打線を4安打に抑えリーグ戦初完封もものにした。

 ここ一番で力を発揮するのが1年生右腕のすごさだ。9月には法大に初黒星、明大に2敗目を喫するなど最近の登板3試合は勝ち星から見放されていた。しかし昨夏の甲子園、春のリーグ戦、大学選手権とV投手となってきた実績はダテではなかった。今秋4勝目で最多勝と最優秀防御率の2冠を獲得。2季連続のベストナインにも輝き、高田繁(明大、ヤクルト新監督)の7季連続を超える、前人未到の8季連続ベストナインへの夢もつないだ。

 完封ショーの原動力は4年生の存在だった。ラストシーズンにかける最上級生の思いを練習から肌で感じ、不調の自分自身を奮い立たせてきた。最後の早慶戦を前に行ったミーティングでは、主将の田中幸が涙を浮かべて決意を語る姿に、「熱いものを感じた」と力に変え、シーズン前から常々言ってきた「4年生のために勝ちたい」という願いをかなえた。

 早大創立125周年の年に節目の早慶戦200勝で、40度目の優勝を果たした。「神宮大会で優勝できたら…。最高の形で4年生を送り出したいです」。いまだ優勝したことのない明治神宮大会でも、胴上げ投手を狙おうという斎藤。最後に最高の“4年生孝行”をする。

(星直樹)

★佑ちゃんに聞く

 ――どんな思いでマウンドに

 「勝っても負けても4年生最後の早慶戦。4年生の気持ちに負けないように投げました」

 ――優勝のかかった試合だった

 「こういう場面で使ってくれた監督に感謝したいです」

 ――初完封だった

 「初回に先制点を取ってくれて投げやすかった。直球が走って、変化球でカウントが取れた。三振は取れているなと感じていました」

 ――春との違いは

 「春は実力ではなく、メディアや応援がすごく相手が力んでくれた部分があった。秋は自分の力がそのまま出た感じです」

 ――成長した点は

 「夏場に走り込みをしてストレートが伸びた。冬場も走り込んでいきたい」

 ――これからの目標は

 「この秋は目標だった5勝を達成できなかったので、来春こそは達成したいです」

◆九回二死まで斎藤をリードした早大・細山田捕手

「今季はコントロールが悪くて苦しんだが、きょうは走者を出した後に粘れたことが、成長した部分だと思う」

★その時

 斎藤の母・しづ子さん(48)と兄・聡仁さん(22)がネット裏で観戦した。完封で優勝を決め、しづ子さんは「春秋と優勝のかかった試合で佑樹の日頃の成果が出せて良かったです」。仕事の関係で球場に来られなかった夫・寿孝さん(58)にはメールで途中経過を知らせていた。15奪三振について、聡仁さんは「この秋で一番いい。変化球も低めに集まってよかったと思う」と絶賛した。

★神宮外苑から早大までパレード

 優勝祝賀会が西早稲田の早大キャンパスで開かれ、野球部員が約2000人の学生の前で優勝を報告した。斎藤は「早稲田のすべての4年生に気持ちよく卒業してもらうため、きょうは投げました」とあいさつ。試合後は恒例の優勝パレードを行い、神宮外苑から早大まで約750人が練り歩いた。沿道ではファン約2200人がナインを祝福した。