2007年09月09日 更新
佑ちゃん80年ぶり快挙!1年生で春秋開幕勝利

直球主体のパワフル投球で東大打線を抑えた斎藤
東京六大学野球第1週第1日(8日、神宮)秋はパワフル王子だ!! 春季リーグ戦に続いて開幕試合の東大戦に先発した早大・斎藤佑樹投手(1年)は、直球主体の組み立てで7回を3安打8三振1四球の無失点。チームは9−1で圧勝し、1927年の宮武三郎(慶大)以来、80年ぶりとなる1年生の春秋連続開幕勝利で、通算5勝目を飾った。早大のリーグ戦3連覇へ、スーパールーキーが弾みをつけた。
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台風一過の青空の下、佑ちゃんが神宮に帰ってきた。力のある直球でぐいぐいと押すパワフル投球で、東大打線を七回ゼロ封。夏の厳しい練習の成果を、1万人の観客の前で披露した。
「直球とスライダーで強気の、攻めのピッチングをしようと思った。春より自分の投球スタイルが良くなってきている」
春から“変身”した姿は一回から表れた。2番・高橋への8球目。細山田捕手のサインに3度首を振り、真ん中低めにこん身の直球を投げ込んだ。この試合最速の144キロのストレートで見逃し三振。自らの意志で、真っ向勝負を挑み、三振に斬って取った。
この日投げた98球のうち、ストレートは57%にあたる56球。直球の割合は、リーグ戦では自身最高。また大学最長に並ぶ7回を投げ、3安打無失点8奪三振。キレのある直球で押す本来の投球を披露した。
「春はツーシームでかわす投球をしてきた。不本意だった」。春のリーグ戦では、4勝“2セーブ”で優勝の原動力になり、ベストナイン。しかし“勝つため”に選んだ変化球主体の組み立てには不満だった。この夏は強くて速い直球を投げるために徹底した走り込み。西東京市の練習場が改修中で非公開練習だったこともあり、「苦しいときに苦しい顔をして練習できた」。顔をゆがめて厳しい練習に耐えてきた。
その一方で、徹底して鍛え上げた体を癒すことも忘れない。今月3日に群馬・太田市に帰省。ことしの正月以来のふるさとで、母・しづ子さんと兄・聡仁さん(22)とバーベキューでリフレッシュした。佑ちゃんは好物の“お袋の味”、豚汁も食べた。家族と水入らずのひとときで秋への英気を養った。
また、野球部寮では就寝時に空気清浄機を使用している。「寝覚めがいいんです」と効果も実感。寝るときには欠かさずスイッチオン。睡眠時も体調を気遣っている。
1927年の宮武三郎(慶大)以来80年ぶりとなる1年生の春秋連続開幕勝利。「秋は優勝という目標に向けて、1年生の自分が少しでも力になりたい」。佑ちゃんの右腕で開幕ダッシュした早大はリーグ戦3連覇へ、突き進んでいく。
(星直樹)

ネット裏2階席から見守った斎藤の父・寿孝さん(左サングラス)と母・しづ子さん(右)(撮影・原田史郎)
■その時
斎藤の父・寿孝さん(58)と母・しづ子さん(47)はネット裏2階席で観戦した。開幕戦の先発でマウンドに上がると、しづ子さんは「春と違って、私たちも余裕を持って見られるようになりました」と笑顔で声援。夏を越えてたくましさを増した息子に、寿孝さんは「大学生らしい体つきになった。完投できたとき、それが夏を乗り越えた証でしょう」とエールを送った。
【斎藤に聞く】
−−久しぶりの神宮は
「(全早慶戦で)名古屋、静岡で声援を受けてきました。久しぶりに神宮の声援の前で投げられてよかったです」
−−開幕先発はいつ告げられた
「今週の半ばからそれとなく。正式に伝えられたのは今朝です。準備はしていたので、ビックリはしましたが7回投げきることができました」
−−完投したかった?
「監督と話して『きょうは七回まで』といわれて。自分からあと2回投げたいといえばよかったんですけど」
−−春からの成長は
「球の伸び具合、指のかかり具合ときょうの方がよかった。余裕もありました。(勝てる)確信はないが、春よりは自分の投球スタイルが良くなってきている」
−−どの点が変わった
「はたから見たら春と同じでしょうが、自分の中では確実に変わっている手応えを感じてます」
−−ルーキーという意識は?
「もうないです。投手の柱だという意識は持っています」
◆ヤクルト・宮本スカウト
「春に比べて体のキレ、真っすぐの力がよくなった。その分フォークも生きている」
◆オリックス・古屋英夫チーフスカウト
「春に比べ本塁近辺での球切れが増したように思う。春を経験したことで、余裕たっぷりに投げていた印象が強かった。法大、明大といった打撃のいいチームと対戦したとき、斎藤の真の成長ぶりが分かると思う」
★昨秋から観客倍増
早大−東大の観客数は1万人。同じカードだった春の開幕戦(1万8000人)よりは減ったが、昨秋の法大−東大の6000人からは倍増した。午前9時の開門時には約100人が行列。一番乗りは地下鉄銀座線の始発が着く午前5時半過ぎに到着した。「もともと、秋は春に比べて観客数は落ちるので、この数字なら」(東京六大学野球連盟・内藤雅之事務局長)と納得していた。
◆三回に通算8号となる2ランを放った早大・田中幸
「だいぶ詰まって左飛かと思いましたが、思い切り振ったことでスタンドに届きました」
★早慶戦前売り
東京六大学野球連盟は「チケットぴあ」に委託している前売り券について、早慶戦(10月27、28日)の発売日が9月29日になると発表した。電話、インターネットのほかチケットぴあ店舗、ファミリーマート、サークルK、サンクスの各コンビニでも受け付ける。








◆巨人・織田スカウト
「心の余裕が見えるようになった。力まずに140キロ台が出せるようになり、打者にとっては打ちづらくなった」