2007年03月05日 更新

佑ちゃん、いきなり295球!「死にものぐるい」沖縄キャンプイン

練習中にタオルで汗をぬぐう斎藤。あまりに暑くて「ハンカチ」の出番はなし!?

練習中にタオルで汗をぬぐう斎藤。あまりに暑くて「ハンカチ」の出番はなし!?

キャンプ初日、斎藤はいきなり295球の投げ込みを敢行した(撮影・春名中)

キャンプ初日、斎藤はいきなり295球の投げ込みを敢行した(撮影・春名中)

 早大に進学する早実・斎藤佑樹投手(18)が4日、沖縄・浦添市の浦添市民球場で早大野球部のキャンプに参加。初日からブルペンで直球のみ295球を投げ込んだ。神宮のマウンドを目指す『ハンカチ王子』は、4月14日に開幕する東京六大学リーグ春季リーグ戦に向けて、一気にペースを上げる。

 昨夏の記憶が蘇る。

 そこにいたのは、駒大苫小牧の田中(現楽天)と投げ合ったハンカチ王子だった。歯を食いしばる。汗が飛び散る。最高気温25度まで上昇した沖縄の強い日差しと体の火照りで、斎藤の顔は紅潮していた。

 早大の沖縄・浦添キャンプ初日。キャッチボールとランニングを終えるとブルペンに向かった。そして、捕手を座らせていきなりの熱投だ。

 「初めての練習で少し力みましたが、フォームを意識しながら投げました。すべて真っすぐです。沖縄は湿気があって暖かいので投げやすい」

 まずはブルペンの隣の歩道から300人近いファンが見つめるなか、プレートの1メートル手前で95球。「手前から投げると低めにコントロールしやすいんです」。早実時代も行っていた独特の調整法だ。

 その後、1度の休憩をはさんで200球。先輩の目を意識したのか、ブルペンでは“青いハンカチ”を封印。吹き出る汗は白いタオルと袖でぬぐいながら投げ続けた。

 昨夏の甲子園、灼熱(しゃくねつ)の決勝で178球、引き分け再試合で118球、計7試合で実に948球を投げたハンカチ王子にとって、初日の295球は“朝飯前”だ。1時間半に及ぶ熱投の末、今キャンプで投手陣に課せられた『6日間で1000球』のノルマのおよそ3分の1をこなした。

 それでも、応武篤良監督(48)は物足りない様子。「他の投手に比べると仕上がりが遅い。もっと投げられるはずだ、と斎藤の後ろからささやいていました」。斎藤も「きょうは“これだ”というボールがあまりなかった。仕上がり具合も昨夏の全盛期に比べると70、80%」と満足してはいない。

 昼食をとり、入念にアイシングをほどこしたあと、通称『ベッカムカプセル』と呼ばれる高濃度酸素カプセルに約40分間入って充電完了。午後からは走り込みと補強トレーニングで約3時間、みっちりと汗を流した。

 「(キャンプに参加している)35人の中から(リーグ戦でベンチ入りできる)25人に残れるよう、精いっぱい死にものぐるいで頑張りたい」

 4月14日開幕の東京六大学リーグ戦に向けて、早大の投手枠は『6』。チーム内の競争に勝ち抜いたとき、ハンカチ王子が晴れて神宮のマウンドに上がる。

(吉村大佑)

“ナマ斎藤”を見ようと、多くのファンがブルペンを取り囲んだ

“ナマ斎藤”を見ようと、多くのファンがブルペンを取り囲んだ

★斎藤に聞く

 −−沖縄キャンプ初日を終えて

 「気候の違いに驚きましたが、湿気があって暖かいのでやりやすい

 −−ブルペンでは295球を投げたが

 「高校(早実)のときは300球を超える投げ込みをしていました。きょうは真っすぐを主体にフォームを意識して投げましたが、『これだ』というボールはあまりなかったです

 −−はじめの95球をプレートの1メートル前から投げたのは

 「低めにコントロールしやすいんです。自分の意思でやりました

 −−練習中、白いタオルで汗をふいていたが

 「タオルなら誰でも使いますよね。先輩からもタオルについてはいわれませんでした

 −−今後の目標は

 「昨夏の全盛期にくらべると70、80%(の状態)。(キャンプに参加している)35人の中から(リーグ戦でベンチ入りできる)25人に必ず残れるように、精いっぱい死にものぐるいで頑張りたい

 −−食べたい沖縄料理は

 「沖縄に来たのは2回目ですけど、特にはありません。沖縄の特色を感じられたらいい

■横浜・三浦と工藤の場合

 大矢監督は今春の沖縄・宜野湾キャンプ期間中に投手陣に対して「2000球」の投げ込みを指令。開幕投手を目指す三浦は「打倒・工藤」を掲げ、キャンプ初日から4日連続ブルペンで100球以上の投げ込み。対する工藤も初日からブルペン入りし、2日目には192球を投げるなど対抗。三浦は休日をはさみ、8日目で1000球を突破。工藤も9日目に突破した。

★応武監督「いい環境」

 キャンプ初日は午前8時半から約8時間、全体練習を行った。投手陣は10人の投手全員が約300球の投げ込み。野手陣はノック、フリー打撃、バント練習などを精力的にこなした。応武監督は「沖縄は暖かいし、球場の施設も充実している。いい環境で練習ができて幸せ」と満足げに振り返った。

★ブルペン集中工事

 球場に隣接するブルペンでは突貫工事が行われた。捕手側に高さ3メートル、横幅4メートルの緑のシートが張られ、歩道から一部、中が見られないようになった。この日の午前中、斎藤ら投手陣が投球練習を行ったが、複数の投手から「見学している人が気になって、投球に集中できない」という意見が出たため、早大側が急きょ設置した。

■沖縄キャンプ

 投手陣は9日まで投げ込みと走り込みを重点的に行う。球数はこの日から6日間で1000球がノルマ。その後、2日間ほど練習量を落とし、紅白戦(3試合)などの実戦形式に入る。練習は15日までで、16日に卒業式を控える早実組(斎藤、後藤、船橋)以外は16日に帰京する。