2007年01月28日 更新

メジャーが視察に来た!ハンカチ王子にメッツスカウトぞっこん

メジャーの熱視線を浴びた斎藤。近い将来、ハンカチ王子も“流出”してしまうのか…(撮影・北野浩之)

メジャーの熱視線を浴びた斎藤。近い将来、ハンカチ王子も“流出”してしまうのか…(撮影・北野浩之)

早大の練習を見守るメッツの大慈弥スカウト。ついにメジャーリーグが斎藤を初視察だ

早大の練習を見守るメッツの大慈弥スカウト。ついにメジャーリーグが斎藤を初視察だ

 ついにメジャーがやってきた!! 早大進学が内定し、東京・西東京市の早大グラウンドで練習を続ける早実・斎藤佑樹投手(18)に27日、初めて米大リーグのスカウトが視察に訪れた。メッツの大慈弥(おおじみ)功・環太平洋担当部長(50)は「無駄がないいい投げ方。個人的に理想とするフォーム」とぞっこん。究極の夢としてメジャーでの活躍を掲げる斎藤も「大きな目標を頭の片隅においてプレーしたい」と意欲をみなぎらせた。

 前日26日に続き、ブルペン入りして30球を投げた斎藤に、熱い視線を注ぐ人物がいた。メッツの環太平洋担当部長の大慈弥氏だ。

 「いい投げ方をしていますよ。無駄がない。(斎藤のフォームを)個人的に理想としているが、それが再確認できました」

 13日の早大での始動日から、巨人、ソフトバンクなど国内7球団が“斎藤詣で”に訪れたが、8球団目にやってきたのはメジャーの使者だった。昨春、夏の甲子園でも早実の試合を見たという大慈弥氏が、斎藤の投球を見るのは5カ月ぶり4度目。応武篤良監督(48)とも初対面のあいさつを交わし、“初接触”も果たした。

 メジャーの奪三振王、ノーラン・ライアン氏を育てたメッツのリック・ピーターソン投手コーチらの薫陶を受けた大慈弥氏が「一番好きなタイプの投手」というのが斎藤だ。

 「高校時代からブレたり、変わったりしているところもなく、いい形で(大学の練習に)入っている。これから体も大きくなるでしょうし、本人にメジャー志向という部分があり、それだけの力がついていれば、ぜひ目指してもらいたい。4年間で英語も勉強してくれれば…。リーグ戦も見にいきますよ」。遠回しの言い方ながら、メジャー挑戦を促した。

 斎藤も大慈弥氏の訪問をプラス材料に受け取った。小学校の卒業文集で将来の夢を「ヤンキース」と書いたハンカチ王子。メジャーは究極の夢だ。

 今は4月開幕のリーグ戦ベンチ入り、神宮での登板を目指して競争の渦中にあるが、「(メジャー挑戦の)大きな目標を頭の片隅に置いてプレーしていけたら、向上できると思います」と強い口調で言い切った。

 この日のブルペンではストレートだけを投げた。応武監督も「前日よりよかったんじゃない。投げれば投げるほど、よくなる。うわさ通りの“連投くん”ですね」と舌を巻いた。

 28日も3日連続でブルペン入りする予定。甲子園のヒーローが神宮の、そして世界のスーパースターを目指して、アクセルを踏み込む。

(田中浩)

■前日26日の斎藤

 西東京市の早大グラウンドで、初めてとなるブルペンでの投球練習を行った。捕手を立たせたまま36球を投げ込み、「(優勝した昨夏の)甲子園に比べたら7、8割にも達しませんが、久しぶりに投げられて気持ちよかったです」と07年の“初投げ”を楽しんだ。また、一度は自粛すると決めたハンカチの使用も「必要になれば使うと思います。自然にやっていきたい」と“ハンカチ王子”復活をにおわせた。

■米大リーグのスカウト事情

 ヤンキースのように十分な資金のある球団は、在日スカウトを配置。野球の盛んな中南米の国にも駐在させている。“呼称”は球団によって異なるが、「環太平洋担当」や「極東担当」として、韓国、台湾などのスカウト活動も兼ねる。優秀な人材をいち早く発掘するため、プロ野球だけではなく高校野球の試合も視察。リポートをすぐに作成して米国の編成担当や球団首脳陣に送る。一方、米国内のスカウト陣は、州単位で細分化された複数の地区を担当。1人のスカウトが全米を飛び回ることはない。

■現状では障害なし

 斎藤の4年後のメジャー入りに関して、現在の規定で障害になるものはない。日本の野球協約には外国の球団に対しての規制がなく、メジャーのドラフトも米国内の高校生、大学生を対象にしているため、斎藤の獲得を希望するメジャー球団があれば、自由競争で交渉ができる。

■中田君の場合

 1月4日、大阪桐蔭高・中田翔投手兼外野手(17)=2年=が、大阪・大東市の同校グラウンドで始動。国内9球団と米大リーグのツインズをあわせた日米10球団、計14人のスカウトが“中田詣で”に訪れた。ツ軍の高橋幸次スカウトは「通常は6年以上かかるメジャー昇格も、中田君なら早い段階で上がれるのでは」と米国でも十分に通用すると断言。ツ軍以外ではメッツやマリナーズも獲得に興味を示している。

★早大・応武監督、プレ五輪派遣を改めて拒否

 応武監督は斎藤のプレ五輪(8月、北京)派遣について、「日米野球のように、来年の世界大学選手権につながるというわけでもなく、デモンストレーションのようなもの。五輪本番は全員プロとなるわけですし」と、改めて拒否の姿勢を明確にした。斎藤がリーグ戦で実績をあげ、日本代表・星野監督から直々の要請があった場合も「お断りします。斎藤にも話してあるし、私個人ではなく、部としての方針」。ハンカチ王子の星野ジャパン入りは消滅した。

★先輩・仁志がエール

 早大OBの横浜・仁志が、後輩になる斎藤にエールを送った。この日、都内でラジオ番組の収録に臨み「ハンカチ(の使用)はやめておいた方がいい。そういう注目のされかたは、野球選手である本人としても本意ではないと思います」。合コン自粛令などの規制にも触れ、「大学時代は人生で一番楽しい時。学校にもたくさん通って一般学生とふれあい、一生の友達をたくさんつくってほしい」と、大学生活を楽しむことを奨励した。