2008年05月15日 更新
今季初スタメン!桧山、二回エラーの汚名返上“ええ仕事打”

六回、汚名返上の同点打を放つ桧山。ベテランが意地を見せた

ベンチで岡田監督と握手する桧山。抜擢が当たり、虎将も嬉しい
(セ・リーグ、広島2−4阪神、7回戦、阪神5勝2敗、14日、金沢)やってしまった。これはまずい。何とかしなければ…。ベテラン桧山の“ゴメンナサイ”の一念が、窮地の猛虎を甦らせる一打を生んだ。
「とにかく、何とか取り返してやろう、という気持ちだけでした」
六回一死二塁。大竹の外角142キロに、逆らわずバットを出した。打球は左中間へ。金本が同点のホームを駆け抜けるのを二塁ベース上から満面の笑みで見届けた。この殊勲打でベンチは一気に活気づいた。
直前までは、長らく忘れていた“針のむしろ”を体感していた。
「久々に守らせてもらったのに、あの守備でしょう…」
昨年7月7日の中日戦(ナゴヤD)以来のスタメン。「5番・右翼」に経験豊富な38歳も意気込んだ。二回の守備。一死一塁から梵の右前打が飛んできた。「一塁走者は三塁に向かってないな」「(グラウンド状況の悪い)地方球場だから大事にいこう」−。心の備えは完璧。ところが、肝心の打球を後ろに逸らす。一塁走者は三塁に進み、倉のニゴロ(平野の失策)で先制点を許す。
せっかく起用してくれた岡田監督の顔も見られない。しかも大竹の前に打線は沈黙。四回までわずか1安打だけ。実にまずい展開。
ただ、心の中でずっと手を合わせてはいたが、同時にしたたかな計算も進めていた。1打席目の見逃し三振、2打席目の四球。凝視し続けた12球の中から、打てる球を見極めたのだ。
「前の2打席を分析して、修正してバットを上から出した。長年やっていないとできないこと」
3打席目に変身した桧山を、広沢打撃コーチが絶賛。抜擢がズバリ的中した岡田監督も「葛城が落ちてきてる。日曜(11日、横浜戦)も右が先発なら桧山やった」と、練り上げた起用であることを嬉しそうに明かした。
40代で打ちまくる自分の姿を思い描くロマンチストは、いつまでも代打だけでいることを、よしとしない。力があることは証明できた。首脳陣も選択肢に「5番・桧山」を加えたはず。新たなワンピースが、猛虎加速の切り札になる。
(上田 雅昭)
★集中力キープで大きな武器に!
私も経験したが、代打で好調な時は、スタメンに入っても自信を持って臨めるもの。桧山も、違和感なく打席に立っていた。
スタメンと代打で決定的に違うのは、代打なら「1打席だけ」の思いが強く、ファーストストライクから打っていってしまう。これに対してスタメンは1試合の中で駆け引きが出来る。この日の桧山は、まさにこの駆け引きを生かした。前の2打席で苦労したシュート(本人は真っすぐと言っていたようだが)を、狙いすまして左方向へうまく運んだ。桧山の経験が生きた一打だった。
代打からスタメンに変わって気をつけなければいけないことがある。試合展開によっては第3、第4打席に集中力が途切れるケースがあるのだ。この日は第3打席が金本のお膳立てで非常に集中できる状況だったことが、桧山にもプラスになった。この点を気をつければ、「5番・桧山」は大きな武器になる。
(八木 裕 サンケイスポーツ専属評論家)
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