2008年05月15日 更新

新井、史上11人目の全球団制覇となる4号2ランでトドメ!

4号2ランの新井(左)はベンチ前でアイコンタクト。ちょっと気持ち悪い!?

4号2ランの新井(左)はベンチ前でアイコンタクト。ちょっと気持ち悪い!?

シーボル落球の流れを逃さず、新井がキメた

シーボル落球の流れを逃さず、新井がキメた

白星を呼んだこれが広島・シーボルによる世紀の落球だ

白星を呼んだこれが広島・シーボルによる世紀の落球だ

 (セ・リーグ、広島2−4阪神、7回戦、阪神5勝2敗、14日、金沢)その名を一生忘れない!? 阪神は七回、広島の三塁・シーボルの世紀の落球から勝ち越し。新井貴浩内野手(31)の「全球団本塁打」となる4号2ランでトドメを刺した。開幕から水曜日は負けナシの7連勝でFA砲の“打点連勝”は「16」。でも、ヒーローはシーやん。おおきに!!

 逆風に立ち向かう放物線が勝利への架け橋となった。史上11人目の全球団制覇となる4号2ランで、ケリをつけた。打点を挙げれば16連勝。『新井神話』が、ここにある。

 「チャンスだったんで、ランナーも三塁にいたし、何とかもう1点と思った。気持ちですね、気持ちを入れて(打席に)入りました」

 “神風”がもたらした好機だった。金沢地方の瞬間最大風速は14メートル。春一番並の突風が吹き荒れた。1−1の七回。関本の飛球をホーム方向へ吹く風に押され三塁・シーボルが落球。その後一死一、三塁から平野の遊ゴロで2−1と勝ち越しに成功した。

 なおも二死三塁。カウント1−0から先発・大竹の2球目を思いっきり振り抜いた。「全然、頭になかった」という109キロのカーブをバットに乗せた。打球は左翼席に一直線。“神風”である逆風は関係なかった。まさに“春一番級”の破壊力だった。

 「あんまり自分の(打撃の)状態はよくない」

 4打数無安打に終わった13日の第1戦から一夜明け、フリー打撃ではサク越えは1本もなかった。「きのう(13日)は、よくなかったなあ。珍しく悪かったよ」。試合前、広沢打撃コーチは、FA砲の状態を気にしていた。8試合ぶりのアーチは10打席ぶりの安打だった。

 10日、二軍戦で関西遠征に来ていた弟・良太(中日)と食事をともにした。技術的な話、打撃論は交わさない。「常に気持ちを前面に出してやれ。そうして、お互い頑張っていこう」。貫くポリシーだけを伝えた。自分に言い聞かせる意味もあった。

 「(新井の)調子を見てたら(本塁打は)ないかなと思ってたんやけどな。大きい3点差やったよ」

 岡田監督のコメントから感謝の思いが伝わる。これで敗戦後は50打数22安打、打率.440、4本塁打、16打点。しかも通算200本塁打まで「M2」とし、通算600打点を達成した。

 「(救援投手が)しっかり抑えてくれていますからね。(勝てて)よかったです。またあしたです、あした。(600打点は通過点?)そうですね」

 開幕から水曜日の連勝も「7」。そして自身の“打点連勝”は16。この男の側にはいつも、勝利がある。だからファンは、その背に声援を送る。

(山田 結軌)


■データBOX

 ◎…阪神・新井が古巣の広島から本塁打を放ち、史上11人目の「全球団本塁打」を達成した。交流戦がスタートした05年以降の達成者は8人目で、今季はすでに巨人・ラミレス、オリックス・カブレラが達成。ちなみに巨人の小笠原と谷、オリックス・清原らも、あと1球団に迫っている

★関本、勝ち越しの口火

 “大当たり”の関本が勝ち越し劇の口火を切った。七回のシーボルの落球については「何が起こったか分からなかったけど、球が転がってたんで二塁に走った」。ヘッドスライディングで二塁を陥れたが、捕手からの送球が体に直撃。五回には右ひじに死球を受けるなど、無安打でも勝利に貢献。体をさすりながら、福井に向かうバスに乗り込んだ。