2008年03月29日 更新
球児“ヒヤヒヤ”初「開幕戦S」それでも150キロ超うなった!

ジェット風船と藤川&矢野のハイタッチ。何度も見たいシーンだ

藤川の剛球はいつも以上だったが、ピンチに陥る場面もあった
(セ・リーグ、阪神4−2横浜、1回戦、阪神1勝、28日、京セラD大阪)笑みはなかった。4年ぶりの開幕白星。歓喜に沸くチームの中で、球児の表情は最後まで崩れなかった。投球に納得していなかった。
「まあまあ。これからでしょう。力みとかはありませんでしたよ。緊張もなかった。春先ですから。フォークは、シーズンを通して、ずっと同じ調子で投げたい」
2点リードの九回に登板。守護神にとって最高の見せ場。圧巻の三振ショーで試合を締める…はずが、肝を冷やす内容となってしまった。
先頭の小関にあっさりフォークを右前に運ばれた。続く相川は二ゴロで、代打・鈴木尚は空振り三振。その後に落とし穴が待っていた。石井には151キロを左中間に弾き返され、暴投がからんで二死二、三塁の同点のピンチに陥った。
ここで仁志にはカウント2−2から直球勝負。打球はきれいに右中間へ飛び、球場全体が悲鳴に包まれた。あわや同点…だったが、打球は中堅・赤星のグラブへ。何とか無失点で切り抜けた。ヒヤヒヤの今季初セーブ。自身初の「開幕戦S」だった。
球児のスゴみも凝縮されていた。全15球のうち、半分以上の8球が150キロ超え。MAXは152キロ。いつも以上の剛球がうなった。
左手首には、ラテン語で『FRATER IN TELUM』と書かれたゴムバンドが光っていた。日本語の意味は「みんなで頑張ろう」−。ウィリアムスが投手陣に配った結束の証。「きょうは4番が打ったから、負けないでしょ」。どんな危機でも、頭の中に『負け』の二文字はなかった。チームのために、勝つことだけを考えていた。
「ちょっと力んでたな。まあ今日は最初だし、次はすっきりいくやろ」
岡田監督に心配した様子はなかった。久保チーフ投手コーチも「うちの守護神ですから」と全幅の信頼を置いている。試合を締めるのは、球児以外に考えられない。今年も背番号「22」が、試合を熱くさせる。
(森井 智史)







