2008年05月15日 更新

連夜のG倒、横浜・仁志が満塁走者一掃逆転打!古巣に容赦なし

二回に内川の中前打で二塁から激走する仁志(撮影・今野顕)

二回に内川の中前打で二塁から激走する仁志(撮影・今野顕)

この回4点目のホームを踏み、巨人を突き放した(撮影・今野顕)

この回4点目のホームを踏み、巨人を突き放した(撮影・今野顕)

ヒーローは試合後、笑顔でファンとハイタッチ(撮影・今野顕)

ヒーローは試合後、笑顔でファンとハイタッチ(撮影・今野顕)

 (セ・リーグ、横浜5−2巨人、7回戦、巨人4勝2敗1分、14日、横浜)連夜のG倒だ!! 横浜・仁志敏久内野手(36)が14日、巨人7回戦(横浜)の二回に満塁の走者を一掃する逆転の右越え二塁打。前日13日のサヨナラ打に続き、連夜のヒーローになった。お立ち台をジャックした元G戦士は、今季初の3連勝を目指して古巣の前に立ちはだかる。

 歓喜のサヨナラ打から24時間たたないうちに、再びその手で巨人をたたいた。獲物を前に、消えゆくことのない熱い闘志。前夜のヒーロー・仁志が、長野での興奮をハマスタに持ち帰り、逆転勝利を演出した。

 「相手も昨日からやられているイメージがあった思うし、序盤にまとまった点を取れれば勝てると思った。きのうの勝ち方がよかったので、弾みになりました」

 1点を追う二回二死満塁。金刃の外角直球をたたき、走者を一掃した。続く内川の中前打で二塁から全力疾走し、本塁へスライディング。ユニホームを赤土で汚しながら、自らの足で4点目を稼いだ。

 06年オフ、入団から11年間を過ごした巨人をトレードで後にした。出場機会を求め、球団に直訴しての横浜移籍だった。入団発表の席ではチームカラーの青いワイシャツに身を包み、念願がかなったことに対する感謝を何度も口にした。野球人としての決断が間違っていなかったことを今、再認識している。

 「ぼくは巨人にいたから、巨人のユニホームを見て萎縮することはない。それに、一緒にプレーしていた後輩たちの前で、みっともない野球をするわけにはいかないんです」

 意地とプライドの固まりでできた36歳の鋼の身体。時には潤滑油を必要とするときがある。巨人時代から尊敬し、今年3月に電撃引退した元パイレーツの桑田真澄投手(40)からかつて、励ましの言葉をもらった。

 「いつ何があるかわからないから、努力をしておけよ」

 巨人を去った者同士が、巨人に育てられて今があるという事実を確かめ合った。

 「ひとつの球団に在籍するだけではわからないこともある。巨人も、ぼくにやられて『恩返し』とは思わないでしょうけれどね」。打倒巨人の思いこそが最大のエネルギー。移籍2年目も、仁志が横浜に新風を吹き込み続ける。

(山下千穂)

★静子夫人「胸がジーンとしました」

 神奈川県内の自宅で長女とともにテレビ観戦していた夫人の静子さん(36)は、連夜の活躍に大感激だ。長女は小学生のため、二回の逆転打のシーンを見て午後7時すぎに就寝。静子さんは試合終了まで見届け「胸がジーンとしました」。

 前夜13日は長野でのナイター終了後、乗り合いのタクシーで午前1時に帰宅した夫を出迎えた。「きょうは、また活躍してくれるといいなと思って送り出しました。欲張ったらいけないですが、3連勝できたらもっとうれしいですね」と声を弾ませた。

◆観戦に訪れた横浜・若林貴世志オーナー

 「仁志くんがよく打ってくれた。これでようやく、チームが順調に回りだした。期待しているよ」

★ハマ党の声

◆高橋美幸さん(25)=横浜市、OL

 「仁志さんが巨人戦で打つのを見ると、私自身の日頃のうっぷんも晴れてスカッとします」

◆下村純司さん(45)=横浜市、自営業

 「大金をもらっている選手が働いていない巨人より、最下位でもベテランと若手が必死に頑張っている横浜を応援したいね」


■仁志のサヨナラ打VTR

 13日の巨人戦(長野)。1点を追う横浜は、九回に守護神クルーンを攻め、吉村の中前適時打で同点に追いついた。延長十回。代わった越智から代打石井が中前打で出塁し、送りバントと暴投で一死三塁。続く仁志が左前に運び、4−3で今季初のサヨナラ勝ちを収めた。

■仁志 敏久(にし・としひさ)

 1971(昭和46)年10月4日、茨城県生まれ、36歳。常総学院高では3年連続で夏の甲子園に出場。早大4年時には主将として東京六大学春季リーグで6本塁打(当時シーズンタイ記録)。日本生命を経て96年にドラフト2位で巨人入団。1年目から10年連続で100試合以上に出場。07年にトレードで横浜へ移籍。今季は36試合に出場し打率.264、1本塁打、14打点。通算成績は13年間で1451試合、打率.271、144本塁打、502打点。新人王、ゴールデングラブ賞4度。1メートル71、80キロ。右投げ右打ち。既婚。年俸1億円。背番号7。

◆記録ずくめの試合となった横浜・石井

 「(記録は)全然知らなかった。僕自身も勢いが出て、チームも勢いづけばいい」

■データBOX

 【1】横浜・石井が14日の巨人7回戦(横浜)の二回、金刃から中前打を放ち、プロ野球史上42人目の通算3000塁打を達成。初塁打は大洋時代の89年10月10日のヤクルト戦(神宮、中前打)。石井は通算97本塁打。42人のうち、100本塁打未満で3000塁打以上は石井だけ。
 【2】猛打賞は通算160度目。若松勉(ヤクルト、159度)を抜いてセ・リーグ単独4位、歴代でも榎本喜八(西鉄)と並ぶ9位に浮上。セの1位は長嶋茂雄(巨人)の186度、歴代最多は張本勲(ロッテ)の251度。