2008年05月12日 更新

野茂、楽天入りか?14年ぶり日本復帰へすでに交渉入り

現地時間4月10日のヤンキース戦で登板した野茂。トルネードが日本に帰ってくる

現地時間4月10日のヤンキース戦で登板した野茂。トルネードが日本に帰ってくる

 ロイヤルズを自由契約となった野茂英雄投手(39)の楽天入りが11日、急浮上した。先発要員の手薄な楽天が、若手投手陣の手本として日米通算201勝を誇るベテラン右腕の獲得に乗り出していることが明らかになった。1995年のドジャース移籍以来、実に14年ぶりの日本球界復帰。“野村再生工場”でトルネードが蘇る。

 トルネードが日本に帰ってくる。移籍先は楽天だ。米大リーグ関係者によれば「すでに交渉に入っている」という。

 今季の野茂はマイナー契約を交わしたロイヤルズでキャンプイン。中継ぎに初挑戦し、4月10日(日本時間11日)のヤンキース戦(カンザスシティー)では、1000日ぶりのメジャー登板を果たした。

 だが球威不足もあり、3試合(計4回1/3)で3本塁打を含む10安打9失点の防御率18.69。4月20日(同21日)に戦力外通告を受け、同29日(同30日)に自由契約となり、他球団との交渉が可能になっていた。

 日本球界で野茂の保留権をもつオリックスも「うちとしては関心は薄い。他球団(との交渉)を拒むつもりはない」(中村球団本部長)という方針を示している。

 メジャー30球団からのオファーはなく、獲得に前向きと報じられた横浜も撤退。そこで野茂獲得に動いたのが、先発陣の手薄な楽天だった。

 野茂の代理人を務める団野村氏にとって野村監督は義父。“ホットライン”もあるが、別の関係者によれば楽天が重視したのは、日本人大リーガーのパイオニアとして日米通算201勝を挙げた野茂の『経験』だという。楽天は支配下選手の70人枠も空いており、契約に支障はない。

 楽天の投手陣は若手が多く、シーズンを通してローテーションを守ることのできる先発では27歳の岩隈が最年長。野茂獲得には、発展途上の投手の“生きた教材”としての期待が込められている。調整法や投球術だけでなく、弱肉強食のメジャーを生き抜いてきた精神面や生活面でも学ぶべき点は多くある。

 複数の日米関係者によれば、すでに野茂も日本球界復帰を了承済み。シーズンも5月に入っており、20日からの交流戦を前に今週中にも入団が発表される可能性もある。

 野村監督は、選手を蘇らせることに関しては“再生工場”の異名を持つほど定評がある。引退濃厚といわれたトルネードが杜の都・仙台で復活する。

■野茂の保留権

 野茂は近鉄が任意引退の手続きをとった状態で米球界入りした。渡米後も保留権は近鉄が保持しており、04年にオリックスと近鉄が合併したことにより、日本プロ野球組織(NPB)は実行委員会で「野茂の保留権もオリックスが承継している」と確認している。 野茂が日本球界に復帰する際は、オリックスに優先権があり、オリックスが自由契約公示の手続きをとるなどして保留権を放棄しなければ、他球団でプレーできない。06年にオリックスは野茂と水面下で契約交渉を行ったが決裂。中村球団本部長は「ウチは関心は薄い。他球団の交渉を拒むつもりはない」と保留権放棄を示唆している。

■楽天の投手陣事情

 先発はここまで5勝の岩隈と4勝の田中が中心。同じく4勝の朝井、3勝の永井、1勝のドミンゴが続くが、安定感は今ひとつで野村監督は「早くITコンビ(岩隈&田中)に続く先発の軸を作らないと」と話している。 左ひざの故障で出遅れたルーキーの長谷部(愛工大)が、14日のオリックス戦(Kスタ宮城)でプロ初登板初先発を予定しており、ローテ入りに期待がかかる。一方でリリーフ陣に柱がいないのが悩み。抑えの小山は復調気配だが、セットアップを含めて不安定。先発要員を補強できれば、永井らも中継ぎに回せるため、相乗効果が生まれる。

■今季の野茂

 ★1月3日(現地時間) ロイヤルズとマイナー契約
 ★2月14日 背番号「91」でキャンプイン
 ★同29日 パドレスとのオープン戦(ピオリア)で初登板。2回を3安打1失点
 ★3月5日 ジャイアンツとのオープン戦(スコッツデール)に登板。3回を3安打無失点と好投も他球団のスカウトは「メジャー昇格は無理」
 ★同26日 右足付け根付近に違和感を訴え、全体練習を回避
 ★同29日 開幕マイナーが正式決定
 ★4月5日 3年ぶりにメジャー昇格
 ★同10日 ヤンキース戦(カンザスシティー)で1000日ぶりのメジャー登板。3回を4安打2失点
 ★同15日 マリナーズ戦(シアトル)に登板。イチローから三振を奪うも1回3安打4失点
 ★同18日 アスレチックス戦(オークランド)に登板。1/3回で3ランを含む3安打3失点
 ★同20日 ロイヤルズが野茂の戦力外を発表

■野茂英雄(のも・ひでお)

 1968(昭和43)年8月31日、大阪府生まれ、39歳。成城工高(現成城高)から新日鉄堺を経て89年のドラフトで史上最多の8球団競合の末、近鉄に入団した。1年目で主要タイトルを独占し、ルーキーイヤーから4年連続で最多勝利、最多奪三振。95年にドジャース移籍。96年、2001年にノーヒットノーランを達成。05年に日米通算200勝をマークした。07年にはベネズエラリーグのカラカスに入団。今年1月3日にロイヤルズとマイナー契約を結び、4月20日に戦力外通告を受けた。1メートル88、104キロ。右投げ右打ち。