2008年05月12日 更新

巨人3位浮上!“低年俸”隠善、3安打3打点の大活躍!

七回、右翼線にダメ押しの2点適時二塁打を放った隠善。この日3安打3打点、年俸480万円の男が強烈な起爆剤となった(撮影・春名中)

七回、右翼線にダメ押しの2点適時二塁打を放った隠善。この日3安打3打点、年俸480万円の男が強烈な起爆剤となった(撮影・春名中)

お立ち台で『世界のナベアツ』の物まねを披露する隠善。左は坂本(撮影・浅野直哉)

お立ち台で『世界のナベアツ』の物まねを披露する隠善。左は坂本(撮影・浅野直哉)

 (セ・リーグ、巨人9−3中日、9回戦、中日5勝4敗、11日、東京ドーム)最高の“デビュー”だ!! 巨人・隠善(いんぜん)智也外野手(23)が、11日の中日9回戦(東京ドーム)で「7番・右翼」で初のスタメン出場。育成選手から支配下選手登録を勝ち取った若手が3安打3打点の大活躍を見せた。若手とベテランがかみ合ったチームは9−3で快勝。今季3度目の中日3連戦で初めて勝ち越し、借金を「1」に減らして3位浮上。いよいよ、今度こそ、本当に…逆襲だ。

 「インゼン」コールに笑みがこぼれる。隠善が1軍初スタメンで初のお立ち台。育成選手からはい上がった若武者が3安打3打点の大仕事だ。

 「サイコーです!! 一番いいデビューになった。1軍でやっとできてきたかなと実感した」

 五回に右前打。二盗を決め、亀井の二塁打で同点のホームを踏んだ。六回は中押しの中前適時打。七回には右翼線へダメ押しの2点適時二塁打を放った。

 昨季、育成選手として入団し、ことし3月21日に念願の支配下選手契約。今季は開幕から1軍ベンチ入りしているが、育成時代にお世話になった関係者への感謝の電話を忘れない。この日は母の日。寮に帰ってから両親に報告した。「いいプレゼントになったんじゃないかな」。“雄姿”という最高の贈り物を届けた。

 年俸480万円の隠善が打線に火をつけた。高年俸選手がジッとしているわけにはいかない。同5億円のラミレスが四回に反撃の11号ソロ。「1点差になってチームの雰囲気を変えられた」と笑えば、六回に勝ち越しの8号ソロを放った同3億8000万円の小笠原は「(若手と)うまくかみ合っていけばチームもあがっていける」。

 “低年俸”が勢いをつけ、“億万長者”が試合を決める。苦手の中田から06年4月30日以来、約2年ぶりの白星をあげた。

 「若い選手がチームに刺激を与えて、主軸の選手も触発されて、打線にいいものができている」と原監督。指揮官が「ペナント前半のヤマ場」と位置付けていた3日からの9連戦を6勝3敗とし、借金「1」で3位に浮上した。若手とベテランの融合。ここから一気にいく。

(星直樹)

◆隠善を支配下選手登録した巨人・清武球団代表

「すばらしい活躍。本当に育成選手から上げてよかった」

◆隠善の打撃について巨人・篠塚打撃コーチ

「いいものを持っている。直球も変化球にも対応できるよね」


■隠善智也(いんぜん・ともや)

 1984(昭和59)年6月5日、広島県生まれ、23歳。広島国際学院高から広島国際学院大を経て07年育成ドラフト4巡目で巨人入団。昨季成績は2軍で42試合に出場、打率.284、1本塁打、8打点。オープン戦での活躍が認められ、今年の3月21日に支配下選手として契約した。今季成績は1軍で14試合に出場、打率.500、0本塁打、4打点(11日現在)。1メートル74、73キロ。右投げ左打ち。独身。年俸480万円。背番号99。

★グラ、トップタイ5勝

 先発のグライシンガーが、ヤクルト・石川に並ぶハーラートップの5勝目を挙げた。三回に3失点したが、尻上がりに安定感を増し、7回を4安打に抑えた。昨季16勝の最多勝右腕は「阿部から『腕投げになっている』というアドバイスを受け、立ち直れた。最多勝より、今は優勝することを考えている」とチーム愛を強調していた。

◆グライシンガーの投球に巨人・香田投手コーチ

「3失点した三回はどうしたのかな、と思ったけど、回を追うごとによくなったね」

★亀井2安打

 亀井が五回二死二塁の場面で、右翼フェンス直撃の同点適時二塁打を放った。中田の内角高めの直球を捕らえた一打に「体を開かずに打てた。常に勝つという気持ちでガムシャラにやっています」。一回にも遊撃内野安打で出塁し、先制のホームを踏むなど、“新切り込み隊長”として存在感を見せつけた。

■データBOX

 〔1〕巨人が中日・中田と対戦したのは通算9試合目(中田は6勝2敗)。06年4月30日に勝利したあと、6連敗中だった。中田の巨人戦防御率は4.85(前回までが4.53)で、東京ドームに限れば7.43(同7.27)と、巨人打線に苦手意識はなかった!? 巨人が中田から9安打を放ったのは、07年8月12日の8安打を上回る最多。
 〔2〕この日はグライシンガーが投げ勝ったが、前回中田に黒星がついた06年4月30日も外国人投手のグローバーが先発、勝利投手になっている。

★上原80球

 不振で2軍調整中の上原が、屋内練習場のブルペンで80球を投げた。9日に115球を投げたばかりだが、踏み出す左足の着地点を確認しながら、ミット音を響かせた。内田ブルペン捕手が「(9日より)良くなっている」と話すように、徐々に調子を取り戻している。

(ジャイアンツ球場)

★村田が降格

 村田善則捕手(34)が12日にも、再調整のため出場選手登録を抹消される。

■ジャイアンツ・ダイアリー

 高校球児のように髪を短く刈り込んだ高橋尚が練習前、東京ドームのマウンドにのぼった。早出で志願の投球練習。原監督も見守る中、打席に加藤、隠善、脇谷を立たせ、実戦形式で36球を投げた。「何かを変えないといけない。もがき苦しんで結果が出せれば…」。
 今季開幕投手を任されながら、ここまで2勝3敗。それでも「だいぶフォームも固まり、球もきている」と投球後は納得の表情。初心に帰った高橋尚が、復調への一歩を踏み出した。